農業で活きる、自動車産業の技術
2016/08/25
自動車産業からの農業参入が相次いでいる。デンソーとトヨタネが立ち上げた環境制御システム「Profarm」は、信頼のおける技術力と安心のアフターサポート体制を併せ持つのが魅力だ。
環境制御システムを
自動車部品メーカーが開発
自動車部品メーカーとして世界的にもトップクラスの技術を持つ株式会社デンソーと、種苗販社として全国トップクラスの実績を持つトヨタネ株式会社が立ち上げているのが、環境制御システム「Profarm」だ。
Profarmでは、デンソーがカーエアコンで培ってきた技術を転用することで、農業生産の効率化、安定化、付加価値向上が図られている。万が一のセンサー故障の際は、両社のネットワークで迅速に対応を行うという。現場をよく知るトヨタネと組むことで、機械の販売にとどまらず、設定条件のカスタマイズや、使用後の意見を反映したソフトのバージョンアップなど、アフターサポート体制が抜群なのも魅力だ。
また、デンソーでは、自社ハウスでのトマトを使った実証実験も行っている。そこで生産されたトマトを有効活用し、地域の人々と共にアイディアを出し合い、社会福祉法人童里夢の運営する、クッキー・ラスクなどを作る「OYATU工房といろ」や、国産小麦と自家製天然酵母を使用したパン「ばくばくぱん」などに提供するなど、社会に貢献する活動にも取り組んでいる。今後の展開にも注目したい。
取材・文/小高朋子