<体験レポート>ドローンや人工衛星で水稲の生育状況を可視化!
2018/11/12
アグリジャーナル×営農支援サービス「天晴れ」の体験プロジェクト。「代々受け継がれてきた、経験則に基づく刈取り時期のベストタイミングを可視化したい」というのが、水稲農家・宮本さんの実現したいこと。「天晴れ」の活用で確かな手応えを感じた理由とは?
前回記事:水稲のタンパク含有率が一目でわかる?
Report <水稲>
体験プロジェクトメンバー
石川県小松市
宮本農産 宮本健一さん
圃場面積18ha。2013年にUターンし、米とイグサの生産販売を行う。4Hクラブ北陸ブロック理事を務める。
「天晴れ」とは?
「天晴れ」とは、人工衛星やドローンで撮影した画像を解析し、農作物の生育状況を示したレポートを発行するサービス。収穫時期や生育ムラをひと目で把握することが可能だ。
小麦と大豆、牧草の事例を天晴れのHPで見た宮本さんは、水稲でも生育レポートが見られれば、という思いでこの体験プロジェクトに参加している。
台風前の刈り取り場所を
レポートを見て判断できた!
「天晴れ」に期待できること
地域ブランドの品質の統一ができる!
「地域ぐるみでタンパク含有率の診断レポートを利用すれば、それぞれの農家が持つ肥料設計が一括で”見える化”され、地域全体の力の底上げになると考えています。お米の食味も向上するので、周りで使いたい農家を集めて、一緒にICT活用の地ならしをしていきたいです。石川県の新品種米・ひゃくまん穀のブランド力向上にも貢献できたらと思います」。
天晴れは色々な圃場管理のアプリとあわせて使えるため、その点でも地域全体で使いやすい。
「天晴れ」を導入したメリット
可視化されたデータがとっさの判断にも役立つ!
診断レポートを目安にして圃場を観察したり、自分の感覚の裏付けにしたりと活用していた宮本さん。「コシヒカリの収穫前に台風が接近し、どこから刈るかを判断する際に、自分なりに持っていた感覚と天晴れの診断レポートの結果が完全に一致。台風上陸前に、米の品質の良い圃場から迷わずに刈ることができました」。
タンパク含有率のマップを見て、あらかじめどこの圃場のものを業務用や販売用にするかを決められる。
宮本さんは複数品種の米を生産。品種ごとにタンパクと穂水分率の診断レポートを活用した。
4Hクラブの会長・竹本彰吾さん(写真右)も一緒に体験。近場の圃場ならレポートを共有できる。
水稲の穂水分率レポートの
本格サービス開始にも期待!
「天晴れは、これまでの自分の判断をより的確なものにしてくれます。毎年続けて傾向を見ることでさらに活用で
きると感じました。水稲のタンパク含有率とあわせて、一緒に体験させていただいた水稲の穂水分率の診断も参考になったので、商品化されるのが楽しみです!」
国際航業株式会社 営農支援サービスチーム
TEL:03-4476-8069(平日9:30~17:00)
photo: Takashi Fujishiro, Masaru Nakanishi
text: Mikako Wakiya
AGRI JOURNAL vol.09(2018年秋号)より転載