再エネ・最新技術

トマトのブランド化に成功した農家直伝! “ハウス内環境”を整える秘訣

自社のトマトをオリジナル商品化し、ほかの誰でもない "自分のファン"づくりを目指している若手就農者がいる。その独自の考え方と、自身が「理想の栽培環境」と語るハウス内の環境づくりの方法を聞いた。

おいしいトマトづくりには
ハウスの環境制御が不可欠

株式会社ジンファームの神保謙太郎さんは、栃木県小山市でトマトを栽培する若手就農者だ。神保さんは、自社のトマトを”とちとま”と名付けて独自に商品化し、地元のレストランや東京のスーパーなどを通して販売。ホームページなどでもアピールし、着実に自社のファンを増やしている。

自社のトマトを”とちとま”と名付けてオリジナル商品化。ロゴをデザイナーに発注するなど、パッケージの細部にまでこだわっている。

現在は、多くの野菜が産地を看板にしているが、同じ産地で採れた野菜でも、クオリティーがばらつくケースもある。神保さんは「自分の顔と名前と農業のやりかた、すべてをオープンにして、ちゃんとおいしいトマトをつくって勝負すれば、戦えると考えました。今は、いけるぞ、と感じています」と手応えを語る。

オリジナル商品化と並行し、おいしいトマト作りのために活用しているのが、ハウスの複合管理ができるイノチオアグリ製の環境制御システム『エアロビート』だ。ハウス内に設置したセンサなどで環境情報を収集し、その情報をもとにパソコンやスマートフォンで機器を一元管理する。神保さんは、同じイノチオアグリ製のかん水制御盤『アクアビート』をはじめとするさまざまな機器を組み合わせて、ハウスの環境を管理している。

環境制御システム『エアロビート』のメリット

●本体1台で、複数の農業用ハウスや複数区画を管理できる多区画専用ソフトにより低コスト化を実現
●環境制御モニタリング機器との連携機能で、かん水量・培地重量まで計測できる。エアロビートからのかん水設定も可能(開発中)
小規模多棟ハウスから大規模ハウスまで、さまざまな農業用ハウスに対応

室内センサなどでハウス内の環境をモニタリングし環境情報を収集

かん水制御盤 「アクアビート」 で多様なかん水パターンを設定可能

エアロビートは、シンプルな画面で管理・操作しやすいのが特長。神保さんは「シンプルで使いやすいことが採用の決め手になりました」と話す。

「エアロビートの導入以前は、各機器を別々に動かしていたため、無駄が多かった。例えば、炭酸ガスの濃度を400ppmに設定していても、気温が上がってくれば、窓を開ける。窓が開いていると炭酸ガスの濃度は薄まり、炭酸ガス発生装置は動き続ける。その間、無駄なガスを使ってしまっていた」(神保さん)。

だが現在は、エアロビートで一括管理。炭酸ガス発生装置と窓の開閉も連動できるため、窓が閉まっていれば400ppm、窓が開いたら外部と同じ濃度、と設定すれば、無駄が減らせる。神保さんは「以前と比べて、ガスの使用量は半分に減った。コスト削減効果は大きい」という。

「以前は、外出先から機器を操作したいときは、電話で誰かにお願いしていた。今はスマホで機器を操作できるので、安心して出かけられる」と神保さん。

また、ハウス内の温度制御も、きめ細かく設定可能だ。以前は「10〜11時は20度、11〜12時は21度」などと設定していたが、エアロビートなら「10〜12時の間に2度上昇」と設定でき、より自然に近い形で気温の上げ下げができる。

神保さんは「急激な温度変化は、作物にとってはあまり良くない。今は、理想的な温度管理ができています。私にとってエアロビートは、理想の栽培環境を実現できるツールですね」と笑顔を見せる。

「エアロビートのおかげで、炭酸ガスの使用量は半分に減り、理想的な栽培環境管理ができています。エアロビートは生産者の意見も取り入れながら進化しているので、今後のアップデートも楽しみですね」(神保さん)。

今後、ハウスの増設も予定しているという神保さん。”とちとま”ブランドと、理想の栽培環境を武器に、成長を続けていく。

プロフィール

株式会社ジンファーム

神保 謙太郎さん

15年前に、家業を継いで就農。小さなハウス1棟からスタートし、現在は正社員1人+パート20人の体制で、大玉トマト55a+ミニトマト10aのハウスを切り盛りしている。自社の大玉トマトを“とちとま”と名付けて独自に商品化するなど、先進的な取り組みを実践。昨年8月、環境制御システム『エアロビート』を導入した。

問い合わせ

イノチオアグリ株式会社

開発部 環境制御課

TEL:0531-36-2011


photo: Daisuke Tsuzuki

AGRI JOURNAL vol.9より転載

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