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ドローンに免許制度が導入される! 航空法改正で農業ドローンはどうなる?

2021年5月現在、政府が国会に航空法等の一部を改正する法律案を提出した。これにより農業のドローン活用が影響を受けそうだ。ここでは農業に関連するドローンの現行制度と、改正後の新制度で何が変わるのか説明しよう。

航空法が改正されて
ドローンの法律が変わる

農薬散布や空撮画像の利用など、農業においてドローンが活用されるシーンが増えている。農業従事者の減少と高齢化が同時に進む日本農業界にあって、ドローンは大幅な省力化・効率化を低コストで実現する可能性を秘めていることから、救世主としての期待が掛けられている。

一方で、更なる効率化を求めた有人地帯上空での補助者なし目視外飛行、いわゆる「レベル4飛行」の実現が政府目標となっており、またドローンが原因となるトラブルや事故が増えている現実がある。

そうした現状に対処して未来に備えるべく、政府は今国会に航空法改正案を提出した。これにより農業におけるドローン活用の現場はどう変わるのだろうか? 

本記事では農業でのドローン活用に興味を持っている人に向けて、現状の制度説明と併せて、新制度の概要を説明する。まずは現行制度から解説していこう。

現行制度下における
ドローンの定義と関係法令

そもそもドローンとは何かという定義と、基本的な利用方法から確認しておこう。

航空法によると、ドローンはより大きな括りである『無人飛行機』に属する。無人飛行機とは「人が乗ることができない飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船であって、遠隔操作又は自動操縦により飛行させることができるもの」と定義されている。

いわゆるドローン(マルチコプター)、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプター等が無人飛行機に該当する。ただしマルチコプターやラジコン機等であっても、重量(機体本体の重量とバッテリー重量の合計)200g未満のものは、無人航空機ではなく模型航空機に分類される。簡単に言うと現行制度下では、マルチコプターで200g以上のものがドローンである

この範疇にあるドローンを飛ばすには、航空法、関係法令、それに地方公共団体が定める条例に従わねばならない。詳しくは、国交省が定めたガイドラインを参照して欲しいが、ポイントをかいつまんで説明しておこう。
▶ 国土交通省 航空局《無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン》

必ず知っておかねばならないのは、飛行する場所に制限がある、ということ。以下に示すように三つの飛行禁止空域が存在する。

飛行禁止空域:
(A)地表又は水面から 150m 以上の高さの空域
(B)空港周辺の空域
(C)人口集中地区の上空

次に知っておくべきは、飛行の方法である。飛行させる場所に関わらず、無人航空機を飛行させる場合には、以下のルールを守る必要がある。

① アルコール等を摂取した状態では飛行させないこと
② 飛行に必要な準備が整っていることを確認した後に飛行させること
③ 航空機や他の無人航空機と衝突しそうな場合には、地上に降下等させること
④ 不必要に騒音を発するなど他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
⑤ 日中(日出から日没まで)に飛行させること
⑥ 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
 (目視外飛行の例:FPV(First Person’s View)、モニター監視)
⑦ 第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)を保って飛行させること
⑧ 祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと
⑨ 爆発物など危険物を輸送しないこと
⑩ 無人航空機から物を投下しないこと

⑤~⑩のルールによらずに無人航空機を飛行させようとする場合には、安全面の措置をした上で、国土交通大臣の承認を受ける必要がある。

現行制度下では
農薬散布には申請が必須

ここまでで一般的なドローン利用について説明してきた。既にお気付きの方も多いと思うが、現行制度下ではドローンには操縦免許は存在しない。そのため法律等に従えば、誰でも飛ばすことが可能である。

ところがドローンによる農薬散布は違う。ドローンによる農薬散布は前項で説明した以下に該当する。

▶ 国土交通省 航空局《無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン》

「(2)飛行の方法」より
⑨爆発物など危険物を輸送しないこと
⑩無人飛行機から物を投下しないこと

そのためドローンによる農薬散布を行うには、安全面での措置をしたうえで国土交通大臣の承認を受ける必要があるのだ(センシング等での利用は承認も不要)。

それでは、国土交通大臣への申請→承認とは、どのようなものなのだろうか? 農水省が公開している資料「ドローンで農薬散布を行うために」を参考に説明しよう。

ドローンによる農薬散布の申請の流れ

申請先
申請先は飛行予定場所を管轄する空港事務所または地方航空局である。これはオンライン申請が可能であるほか、郵送や直接持参することもできる。申請期限は、飛行開始予定日の10開庁日前まで。必ず10日以内に承認されるわけではないので、日程に余裕をもって申請しよう。

必要なもの
申請にあたっての提出物は、申請書、機体・飛行させる者・体制について安全確保のための基準に適合していることを示す書類・資料、となっている。この申請は、特定の団体を通じて行う必要はなく、個人のほか、機体メーカーや販売代理店等による代行申請でも可能である。

ドローン飛行自体の承認は?
なお、ドローンの使用にあたって、特定団体の資格(免許・ライセンス)は必要ないのだが、飛行の承認を受けるにあたり一定の技能・飛行経歴が必要とされている。国土交通省HPに掲載された講習団体等の技能認定を取得することで、許可・承認申請書類の一部を省略することが可能となっている。

ドローンの機種は決められている?
また、農薬散布用として一般的に販売されている機体であれば、薬剤散布に利用でできる。特定団体の認定は必要ない。国土交通省HPに掲載された機体を使用する場合は、承認申請書類の一部を省略することが可能となっている。


ここまでで現行制度下における薬剤散布ドローン飛行の申請について説明してきたが、実際の運用にあたって遵守せねばならない法律が、もう一つある。それは農業生産者にはお馴染みの農薬取締法である。

これまた農業生産者にとっては当たり前の話だろうが、農薬取締法で登録されていない農薬はドローンでも使用できない。また登録されている農薬であっても、使用基準以外の方法での使用は不可である。

ドローンに適した農薬は、使用方法が、「無人航空機による散布」、「無人ヘリコプターによる散布」、「無人航空機による滴下」または「無人ヘリコプターによる滴下」とされている。

散布機器が指定されていない「散布」、「全面土壌散布」などとなっている農薬も、その使用方法をはじめ希釈倍率、使用量等を遵守できる範囲であれば、ドローンで使用できる。

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