施設園芸で理想の光合成を実現|3大要素『水・CO2・光』を極めたシステムがある!
2021/08/04
![](https://agrijournal.jp/wp-content/uploads/2021/07/AJ_SIW20210729_ec.jpg)
施設園芸のハウス内環境のソリューションを提供する誠和から、光合成を効率的に促進するシステムがワンストップで登場。光合成に必要な三大要素「水・CO2・光」をテーマに次世代の農業の姿を提案する。
施設園芸のプロフェッショナル
誠和の考える光合成とは
1968年の創業以来、施設園芸に関する環境技術や製品開発、施設設計を通じて、生産者に作物の高い収量と品質を実現するハウス内環境を提案してきた誠和。今回は、植物の成長に欠かせない光合成速度を最大化するためのソリューションとして、「水」「CO2(二酸化炭素)」「光」をコントロールするシステムを紹介しよう。
水:ロックウール栽培システムで
自分史上最高のパフォーマンスを実現
ロックウール栽培システムとは、繊維状の人造鉱物繊維「ロックウール」を用いた栽培方法だ。通気性や保水性、保肥性に優れていることから養液栽培の培地としても活用され、安定した生産と高品質な作物生産を可能にする。
誠和のロックウール栽培システムは、専用の吸液ユニットと栽培シート、吸液ホース、ベット・配管を総合的に組み合わせたもの。水量や肥料をコントロールし、土壌の病気リスクを低減させるほか、栽培データの活用やベッド下の空間の有効活用が期待できる。
水量のコントロール
養液栽培システムでは積算日射量によって、適時適量の水を自動的に作物へ与えることができる。培地から排水される水量も確認できるため、灌水量やタイミングを見定めることも可能。
肥料のコントロール
作物が必要としている肥料を適時適量に与えることができる。具体的にどの肥料成分を吸収したのかを計測できるため、作物の健康状態も可視化できる。
土壌の病気リスクを低減
ベンチで培地を地面と切り離しているため、土壌からの病原菌の進入を防ぐことができる。仮に培地に病害が発生した場合でも、発生箇所を培地ごと取り除くことで伝染リスクを最低限に抑えられる。
栽培をデータ化
灌水の量や回数、積算日射量などをデータとして残すことで、栽培時の成功要因や課題の明確化が可能に。
ハンギングシステム
ハンギングすることでベット下の空間にCO2ダクトを通すなどの活用や、通路に障害がなくなることで作業効率の向上を図ることができる。
セパレートタイプの排水ガター
独立したガターによる排水で、ハウス中柱を跨いだベット配置ができ、定植本数を増やすことが可能となる。
CO2:夏でも使える
低温CO2局所施用機『真呼吸』
「人間は酸素を吸って二酸化炭素を出し、植物は二酸化炭素を吸って酸素を出す」ということは小学校などで学ぶことだろう。植物の生育のためにはCO2は欠かせないのだ。しかし時代はカーボンオフが求められており、必要なCO2量を適切に施用していく必要がある。
『真呼吸』は灯油燃焼式のCO2施用マシンだ。省スペースで効率的に作物へCO2を届け、光合成の促進・収量の最大化を図ることができる。
本体サイズは高さ170㎝、幅80㎝、奥行き33㎝とコンパクト。灯油燃焼式のためランニングコストも低く、経営にも配慮した仕様となっている。
細い子ダクトで効率的にCO2を移送
親ダクトから細い子ダクトがCO2を群落へ局所的に届けるため、無駄なく効率的な展開が可能。
低温CO2だから夏でも使用可能!
灯油燃焼式だが排出されるCO2は低温なので、気温に左右されることなく年間を通じて施用できる。
光:植物のステージに合わせた
独自の光レシピ『LEDライト』
これまでに光だけは抑制が難しいとされてきたが、植物の光合成を促進させるためのLEDライトがある。それが誠和が提供する施設園芸用のLEDライト『フィリップスLED』だ。インターライティングとトップライティングの2種類があり、既にトマトでは30%程、イチゴでは28%程の収量増加効果を確認しているという。
それぞれ光合成を目的にした光源となっており、光合成に適した波長を備えている。影になるところに設置し全体を効率的に照らしたり、作物や使用目的に合わせて光の組み合わせができたりと、高収量・高品質を期待できる。
また電球やナトリウムランプと比べて寿命の長いLEDライトを採用していることや、熱高効率で電力を光に変換し、熱の放出が少ないことなど、営農者にとっての使いやすさも考慮されたアイテムだ。
インターライティング
樹の間に設置することで影となる部分が減り、効率的な補光を実現する。また作物の栽培目的に併せて、シングルライン(群落内に1本の列)とダブルライン(群落内に2本の列)から選択でき、メンテナンス性や耐久性に優れているのも特長だ。
トップライティング
ルーフに設置し、全体を効率的に照らす。高圧ナトリウムランプに比べて放熱を大幅に抑制し、高い光出力を実現。収量の増加はもちろんのこと、成長周期の短縮やエネルギーの節約も期待できる。
今回紹介したロックウール栽培システムや『真呼吸』、植物育成用LEDをはじめ、誠和では施設園芸を支える最新スマート農業機器を展開中だ。スマート農業というキーワードが飛び交う中ではあるが、だからこそ基本的な植物の成長原理である光合成について改めて学びなおしたい。この動画は農業をされる方にとっては必見である。
問い合わせ
TEL:0285-44-1751
株式会社誠和。
文/大城美結