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アザミウマやうどんこ病を制す! LEDやUVBランプなど、ホタルクス農業用シリーズの実力を検証

光をもって病害虫や生育不良にアプローチする資材が、LEDやUVBランプなどの農業用照明だ。今年、発売開始予定の「HotaluX 農業用シリーズ」の特徴と、本製品を試用した有機農家の声をご紹介しよう。

異なる効果を発揮する
3製品を同時にリリース

住宅や施設用の照明を手がける「株式会社ホタルクス」が、「照明の力で省人化と減農薬を叶え、生産量の向上に貢献したい」という思いを起点に、農業用照明市場に参入。5/24から開催される「第1回九州農業WEEK」で出展し、以下の3つの製品をお披露目する。
>>会場限定で製品モニター募集も実施!

HotaluX 農業用シリーズ 赤色LED電球

葉に赤色光があたると、アザミウマが葉を認識できず身動きがとれなくなるため、圃場内へ侵入するアザミウマの数が減少する。また、赤色LED電球の赤色光には、作物の成長を促進する効果も。アザミウマの忌避効果と電照効果を併せもつ、一台二役の効果を発揮する製品だ。

HotaluX 農業用シリーズ UVB直管ランプ

UVB照射により、うどんこ病の発生が抑制される。また、直管型照明のため、光のムラが少ない。

HotaluX 農業用シリーズ 電照LEDライトユニット

まんべんなく光をあて、作物の成長を促進。故障が少なく長持ちしやすいため、トータルコストが低くなるのも魅力。

住宅・施設照明の分野で多様なノウハウと技術を培ってきた「株式会社ホタルクス」。長年の経験で得た波長ノウハウを活用し、高品質で低価格の農業用LEDの開発に成功したという。

 

圃場内を2つに分け
電球による効果を調査

「HotaluX 農業用シリーズ」のリリースに先駆け、京都市内の有機農家「株式会社オーガニックnico」で実証実験が行われた。株式会社オーガニックnicoは、有機野菜の生産・販売のほか、農業用資材の検証をはじめとするアグリサイエンス事業も展開する企業。実証実験の内容や結果は、同社のアグリサイエンスグループで主任研究員を務める福田泰子さんにより、詳細にわたって記録されている。


株式会社オーガニックnicoのアグリサイエンスグループの主任研究員、福田泰子さん

実験の場となったのは、イチゴ用のハウス。「おいCベリー」が栽培されている畝の上部に赤色LED電球が設置され、実証実験の実施期間は毎日、赤色LED電球の点灯が行われた。


株式会社オーガニックnicoのイチゴ用ハウス。赤色LED電球は1.4m間隔で、合計42灯配置。



電照が必要となる品種「おいCベリー」を栽培。

2022年11月中旬から翌年の2月にかけては6:00~21:00、3月~4月末までは6:00~18:00が点灯時間とされた。このような点灯時間を設けた理由を、福田さんは次のように説明する。
イチゴの花が咲き始める10~11月頃、アザミウマの活動が活発になります。12月頃になると活動が鈍くなるので、本来であれば12月以降は赤色LED電球の照射は必要ありませんが、今回の試験では万全を期して、12月以降も照射し続けることにしました。また、冬季は、夜間の電照によってイチゴ苗の成長を促進させる期間。そのため、11月中旬~2月は、6:00~21:00という長時間にわたる点灯時間を設けました。一方の3月以降は、電照による成長促進は必要ないものの、アザミウマの活動が再び活発になる時期なので、日中のみ点灯を行いました」。

なお株式会社オーガニックnicoでは、白色電照LEDを設置した「対照区」を設け、赤色LED電球の設置箇所との差を調査。さらにはハウス内には青色粘着板を設置し、アザミウマの誘殺数を調べるとともに、アザミウマの寄生株率の調査も行ったという。

 

アザミウマは抑えられ
収量は増加傾向に

<供試作物> イチゴ(おいCベリー) <試験圃場>土耕 <環境制御> 加温あり、窓管理あり

アザミウマの誘殺数と寄生株率を記したグラフを見ると、赤色LED電球の効果は、点灯を開始した11月下旬以降、はっきりと現れたことが確認できる。11月中旬より、ハウス内でのアザミウマの誘殺数が急激に上がりつつあったが、赤色LED電球の点灯を開始したのを機に、誘殺数が激減している。また、アザミウマの活動が活発になる3月以降、赤色LED電球の設置箇所における誘殺数と寄生株率は、対照区よりも1ヶ月ほど遅れて増加している。福田さんは、さらにこう補足する。
設置箇所では、果実の食害も観察されていません。また、赤色LED電球の生育促進効果も実感しています。2年ほど前、実験的に電照なしで『おいCベリー』を栽培したことがありますが、今回は全体的な技術の進歩もあり、当時の2~3倍のイチゴを収穫できました。白色電照LEDの設置箇所と比較しても、遜色ない量のイチゴを収穫できています」。

<供試作物> イチゴ(おいCベリー) <試験圃場>土耕 <環境制御> 加温あり、窓管理あり

株式会社オーガニックnicoでは、UVB直管ランプも試用。本製品の使用感について、福田さんはこうコメントする。
「UVB直管ランプは既存の電球形UVBランプよりも9~10倍の光量があるので、イチゴの葉焼けを心配しましたが、実際に使用してみたところ葉焼けは全く起こりませんでした。また、直管タイプなので光にムラがなく、広範囲にしっかりと照射されていると感じました」。


「赤色LED電球は、アザミウマに悩まされている農家さんにオススメしたいですね」と、福田さん。

収量のアップ、アザミウマの忌避など、うれしい効果をもたらした「HotaluX 農業用シリーズ」。「当製品は、今後も愛用し続けたいですね」と、福田さんは笑顔を見せた。

 

問い合わせ

株式会社ホタルクス
TEL:03-6746-1541


写真/山崎純敬 文/緒方佳子


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