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青果市況情報を無料アプリでチェック! 市況確認で青果物の販売をスマートに

青果物の販売先が多様化し、独自の販売ルートをもつ生産者の存在が目立ってきた。また、こうした生産者にとって、市場における青果物の価値を把握することは、ポイントの一つに。青果市況情報アプリ「YAOYASAN」は、青果物をより高値で販売する足がかりになる。

メイン画像:「Sai10faRM」を運営する斉藤雅通さんと、妻の良子さん。当農園で「YAOYASAN」は、欠かせないツールだ。

スピーディーな判断と
より良い対策が可能に

良好な経営状態を維持するためには、青果物を少しでも高い値段で販売する必要がある。農業生産者がこのタスクをスムーズに遂行できるよう、開発されたのが、青果市況情報アプリ「YAOYASAN」だ。

千葉県旭市でミニトマト農園「Sai10faRM」を営む斉藤雅通さんは、およそ1年間、「YAOYASAN」を愛用している。斉藤さんが「YAOYASAN」を閲覧するタイミングはさまざまだ。例えば、注文状況に変化があった場合、まっさきに「YAOYASAN」を開くという。

「うちの農園から定期的に安定した数量のミニトマトを買ってくれる販売先があります。けれど時々、そうした販売先からの注文が途絶えることがあります。すぐに『YAOYASAN』を開いて市況をチェックすると、中央卸売市場でのミニトマトの価格がガクンと落ちているのを確認するケースが多いですね」。


「スマホに『YAOYASAN』をダウンロードしておけば、いつでもすぐに市況や卸売価格動向を確認できます。すき間時間を使ってこれらを確認できるので、助かっています」と、斉藤さん。

 

 
ミニトマトが市場に溢れ、全体的に価格が落ちると、消費者がより安いミニトマトを求め、平時に利用している小売店から離れる。これにより、農園にとっての得意先からの注文が突然途絶える現象が起きるという。なお、ミニトマトの価格が下落しているのを確認したら、斉藤さんは、「YAOYASAN」の卸売価格動向のグラフもチェックする。グラフの動きから、今後ミニトマトの価格が低迷すると予想された場合、斉藤さんは即、ほかの販売先にアプローチをかけるという。

「もっとも避けたいのは、すでにパック詰めした商品の廃棄です。しかし、早い段階でほかの販路を見つけることで、廃棄を避けられる可能性がかなり高まります」。


栽培は雅通さんが担当し、パック詰めやSNSへの投稿などは良子さんが担当している。ミニトマトは、ECサイトでも販売。

状況の把握と方向転換をスピーディに行ううえで、大きく役立っているのが「YAOYASAN」なのだ。また、「YAOYASAN」で過去に閲覧したデータも、売り上げの向上に一役買っている。

「例えば、過去1年間の卸売価格動向を振り返ると、どの月にもっともミニトマトの価格が上がり、どの月にもっとも価格が下がったのかが分かります。そして、それを参考に翌年の作付け計画を立てています。これにより、ミニトマトの市場価値がもっとも高くなるだろうタイミングに、うちの出荷ピークを合わせられる可能性が高まります」。


ミニトマトの育ち具合をこまめにチェックし、ハウス内の環境を整えている。日々の繊細な調整をとおし、ミニトマトの質を理想に近づけているという。

さらには「YAOYASAN」で得られたデータは、自社の青果物の人気を測る際の参考にも。

「市場でミニトマトの価格が落ちているのに、『道の駅』などに出したうちのミニトマトが好調に売れている時があります。これは、うちの商品を固定で買ってくれている方がいる証拠。ファンの存在を確信し、自信が湧いてきます」。
 

 

私が試してみました!

Sai10faRM

斉藤雅通さん

斉藤雅通さんは、施設野菜の栽培農家で生まれ、2004年に親元就農。2018年に農業経営の移譲を受け、2020年11月に「Sai10faRM」を設立。
 


「年間を通じて『Sai10faRM』のミニトマトを入荷したい」というレストランからの要望を受け、長期栽培も行う。写真は「サマー千果」。

現在は、およそ70aの圃場でおもにミニトマトを栽培。千果、小鈴のほか、しっかりとした甘みのなかに程よい酸味があるトマトベリー、オリジナル品種のひげトマトなども手がけ、ファンを獲得している。

 

データのチェックと分析ができる
青果市況情報アプリ「YAOYASAN」


生産者が自身の青果物の価格を決めるにあたり、判断材料になるものの一つが、市場における青果物の価値。現状の市場価値を把握することで、青果物に適正な価格をつけやすくなる。

「YAOYASAN」は、農林水産省が公表している「青果物市況速報」「青果物卸売市場調査(日別調査)」のデータを、いつでも確認できるアプリ。事前に簡単な設定をしておけば、自身が栽培している青果物のデータのみ閲覧できる。また、自身が暮らす地域における、中央卸売市場でのデータのみ閲覧することも可能だが、複数の中央卸売市場を登録しておくと、随時、それらのデータをチェックできる。

今後、過去のデータを閲覧・分析できるように、「YAOYASAN」はアップデートされていく予定だ。

 

 

YAOYASANでできること

1 最新の市況を確認できる

国内30箇所の中央卸売市場における高値、中値、安値、数量などの速報値を確認できる。アプリ内に設けられている「マイリスト」には、任意の品目と市場をそれぞれ5つまで登録可能。選択した品目のタブに、登録した市場における速報値が一覧で表示される。


2 価格・数量の変動を確認できる

過去10日間の卸売価格と入荷量がグラフで表示され、それぞれの変動を視覚的に確認できる。事前に「マイリスト」に希望の品目と都市を登録しておくと、登録した品目や都市のデータがグラフで表示される。これらのデータは、新しく販売先を開拓する際も判断材料となる。

 

 

 

問い合わせ

住友化学株式会社運営[つなあぐ]


文:緒方佳子
写真:松尾夏樹

Sponsored by 住友化学株式会社

AGRI JOURNAL vol.29(2023年秋号)より転載

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