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井関農機が新商品を発表! 「持続可能な稲作経営」を支える井関農機の新たな挑戦

井関農機が『「環境負荷低減」と「食」への貢献、農業の生産性・快適性向上』をテーマに、2024年度上期新商品会を開催した。ここでは「持続可能な水稲経営」を支える井関の挑戦を中心に、発表会の模様をお届けしよう。

「環境負荷低減」をテーマに
社会が求める新製品を発表


昨年(2023年度上期新商品発表会)のテーマは「地球温暖化対策に向けた環境対応商品の充実」であったから、井関農機は2年続けて「環境負荷低減」をテーマに掲げたことになる。井関農機の環境負荷低減に対する本気度が伝わってくる。

発表会の最初に、代表取締役の冨安司郎社長が登壇した。2025年に創立100周年を迎える同社が、長期ビジョンとして『「食と農と大地」のソリューションカンパニー』を目指していることをあらためて説明したうえで、食・農業・大地を取り巻く状況として以下の3つについて解説した。

①主要マーケットであるヨーロッパにおいて環境意識が更に高まっており、景観保全による持続可能な社会・街づくりが望まれている
②国際的な食料増産ニーズの高まりと日本における食料安全保障の強化といった話題に触れ、農業の生産性向上が望まれている
③食のトレンドとして『米』が注目を集めており、米の新価値・高付加価値化が望まれている

それら背景を踏まえたうえで、今回の発表会のコンセプトは『「環境負荷低減」と「食」への貢献、農業の生産性・快適性向上』としたことを説明した。

井関農機×フェイガーで
農業由来のメタン削減を目指す

続いて、井関農機によるJ-クレジットの取り組みが紹介された。過去に当サイトで『J-クレジット制度を活用した「水稲栽培の中干し期間延長」』について説明したが、日本では、温室効果ガスであるメタンの4割が水田から発生している。このメタン発生を中干し期間を延長することで3割削減できる、とされている。

農業生産者がメタン排出削減に取り組む動機となるのが、J-クレジット制度である。定められた方法(方法論と呼ぶ)で温室効果ガス排出を削減すると、その削減量をクレジットとして国が認証する制度で、認証されたクレジットの販売により収入を得ることができる。ところが、中干しのタイミングを間違えると収量が減ってしまう、というリスクがある。

そこで井関農機では、同社が運営する営農ソリューションポータルサイト「Amoni(エーモニー)」に搭載している水稲生育予測サービスを活用して、実証を行った。生育予測から逆算して、中干しの開始日と終了日を決定して、収量を確認した。その結果、栽培地で平均的な収量(コシヒカリ553kg/10a)を達成。「Amoni」の水稲生育予測を活用して指導・サポートすることで、農業生産者が減収する心配なく、J-クレジット制度を活用した「水稲栽培の中干し期間延長」に取り組むことができることを証明した。

そのうえで井関農機は、農業生産者向けに脱炭素に貢献する農法のカーボンクレジット化をサポートするサービスを実施する株式会社フェイガーと事業提携することを発表した。フェイガーからは代表取締役の石崎貴紘氏が参席しており、事業提携書の調印が行われた。

井関農機ユーザーは是非、井関農機の販売ネットワークを通じて、フェイガーの中干し期間延長プログラムに参加して欲しい。フェイガーのプログラムに参加するために農業生産者何をすべきか、についても当サイトで過去に取材しているので、記事末尾のリンクから参照して欲しい。



快適性と作業効率を向上させた
「フロンティアマスター」新発売

「農業の生産性・快適性向上」に資する製品のなかで、持続可能な水稲経営に資するのとは、居住性・操作性・メンテナンス性が向上した新型コンバイン「フロンティアマスターFM」シリーズだ。型式はFM468(4条刈 68.0PS)・FM475(4条刈 74.8PS)・FM575(5条刈 74.8PS)。

居住性向上の象徴となるのは、長時間作業でも疲れにくく快適性に優れた新設計の静音キャビン。5つのゴムマウントでマウント化を行い従来機より振動を軽減したほか、作業時の騒音を従来機より7dB(A)低減した。キャビン内左後方には保温冷庫を装備したうえ、オートエアコン&USBラジオを搭載している。

操作性の向上に寄与するのは、副変速電子クラッチ化である。2速モーターHSTの採用により、副変速の切り替えがボタン操作で行えるようにった。これで走行しながらHSTレバーから手を離すことなく副変速を切り替えできるようになる。

さらに、グレンタンク側板が工具レスで簡単に開閉ができ、作業後の清掃性やメンテナンス性が大幅に向上した。井関農機の売れ筋の4条・5条刈コンバインが、Japan HJシリーズに一歩近付いた、と言えよう。

ところで井関農機は、環境に配慮した商品・サービスの拡充を通して気候変動課題の解決や農業における環境負荷低減につながる取り組み指標として、エコ商品の国内売上高比率目標を2025年65%以上に設定している。期限が再来年に迫ってきたが、現在の達成度について「ほぼ目標通りであり51.4%を達成した」と胸を張って答えてくれた。井関農機の環境負荷低減への取り組みは、着実に進行していることがうかがえた。

“うまみ精米”機能を新たに搭載!
井関農機の新型コイン精米機

最後にご紹介するのは、新型コイン精米機「CP(H)420シリーズ」。おいしさや健康面に対する消費者ニーズの高まりを受け、お米のうまみ層(亜糊粉層)を残す精米方式でお米のおいしさを引き出す“うまみ精米”機能を新たに搭載した。

新型コイン精米機「CP(H)420シリーズ」を開発した株式会社ワイワ精機取締役営業部長の石仙博男氏によると、お米のうまみ層(亜糊粉層)を残すため、本機ではお米をゆっくり丁寧に削る。これを実現するため、システム全体を新たに作り替えた、という。

うまみ精米機能を使うと、栄養価の高い胚芽が白米(標準)より残る。うまみ層には、うまみ成分となるオリゴ糖やアミノ酸など様々な栄養素が含まれており、井関農機によると「うまみ白米ボタンで精米したお米は、標準ボタンで精米した同じお米よりも食味鑑定値が高くなる」という。

発表会では、新型コイン精米機「CP(H)420シリーズ」で精米したお米が展示されていた。胚芽(黄色い部分)が多く残っていることが分かる。また試食も行われたが、「CP(H)420シリーズ」で精米されたお米からは、しっかりとした香りを感じることができた。

今回の発表会では、その他にもヨーロッパで人気の乗用モーアや、乗用じゃがいも植付機など、9品目34型式の新商品が発表された。ご興味を持たれた方は以下のリンクから確認して欲しい。新製品の投入により社会のニーズに応えようとする井関農機の姿勢を感じることができるはずだ。



DATA

井関農機2024年度上期新商品
J-クレジット制度を活用した『水稲栽培の中干し期間延長』とは
フェイガーの取り組み

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