気候変動の解決策として期待! 酸素なしで、農業廃棄物をバイオ炭に加工する移動式熱分解装置

ウィルクス気候ローンチ賞を受賞したテキサス州のスタートアップ企業アプライド・カーボンの農場テクノロジーが注目されている。同技術は、農作物の廃棄物をバイオ炭に加工し、炭素排出量を大幅に削減する解決策だ。

メイン画像:©Applied Carbon

農業テックで炭素削減!
2026年に約10万トンの除去見込み

2024年9月に、気候変動対策における世界トップクラスのアイデアを表彰するウィルクス気候ローンチ賞を受賞した、アプライド・カーボン社の技術に注目が集まっている。

同社の技術は、例えばトウモロコシから粒を取った後の茎と皮のような、圃場でうまれる廃棄物を自動で回収し、高温熱分解によってバイオ炭に加工するものだ。この技術の主な利点は、大規模生産が可能で、今後数年間でさまざまな農業分野に拡大する可能性があることだ。

現在、同社は酸素なしでも温度を高めることができる移動式の熱分解装置を4台所有しており、約4000エーカーのトウモロコシ畑で機器と、バイオ炭の効果をテストする予定だ。なお、受賞により得た50万ドルの賞金はこれらの現場作業に充てられるとのこと。

バイオマス廃棄物から得られるバイオ炭は、炭素を安定して貯蔵でき、数百年にわたり持続するため、気候変動と戦う有望な手段とされている。30年にわたり、1エーカー当たり10トンのバイオ炭を世界規模で施用すれば、産業革命以降に大気中に放出された炭素量を上回る量を土壌に取り込むこともできるといわれている。

アプライド・カーボンの技術は、畑の中を移動することで機能するが、固定稼働させて木質バイオマスをバイオ炭に変えることも可能だ。技術を導入した農家からの評価も高く、ある干し草農家は収穫量が60%増加したという成果も出ている。

同プロジェクトは、最初の数シーズンの試験運用を通じて、2026年までに約10万トンの炭素を大気中から除去することが期待されている。



DATA

Applied Carbon


文:靴家幸子

AGRI JOURNAL vol.35(2025年春号)より転載

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