注目キーワード

最新技術

作物の状態がひと目でわかる! 「生育スケルトン」

今や営農管理に欠かせなくなっている農業ICTツール。生育状況の視覚化により、作業負担の軽減やロジカルに生産管理を行えるメリットはあるが、データを使いこなせるか不安に思う人もいるだろう。そこで紹介したいのがこのツールだ。細かな数値を見なくても、作物の状態がすぐにわかる秘密とは?

農業ICTツール、
導入は少々ハードルが高い?

農家にとって、生育管理は最も重要な仕事のひとつだ。ちょっとした変化を見逃さないためにも、作物を観察する時間は毎日欠かせない。

最近は、こういった作業負担を減らすため、AIやIoTを使って農作物の生育管理ができるツールが増えてきている。しかし、きちんと活用するには、データ化された様々な数値と向き合う必要があるため、少々ハードルが高いと感じる人もいるだろう。

そこでオススメしたいのが、「生育スケルトン」だ。

「インフォグラフィック」で
作物の生育をより直観的にデザイン

「生育スケルトン」とは、定期的に作物の生育状況をテープメジャーなどで測り、記録していくツールだ。2018年7月現在、トマト、ミニトマト、キュウリ、ナス、ピーマンなどに対応している。

このサービス最大の特長は、生育状況をインフォグラフィック(情報を視覚的に表現したもの)で簡単に確認できることだ。

例えば、給水量が異なる2区における生育の違いを見てみよう。一般的なツールであれば、下表のように数値化されたデータをひとつずつ読み解いていく必要がある。

(画像はすべて「生育スケルトン」Webサイトより引用)


一方、「生育スケルトン」を使った場合の表示はこうだ。下の図はトマトの茎を横から見た絵のように表したもので、縦棒は「茎」(黄色部分は茎の伸長量)、横棒は「葉」として見る。

少量給水区は対象区と比べ、茎が細く、伸長量が短い。さらに、葉の枚数が多くなっているのが見て取れる。このように、パッと見ただけで誰でもすぐに作物の状態や変化がわかるのが「生育スケルトン」だ。

成長の記録がわかりやすく図式化されたことで、後の振り返りが楽になるだけでなく、世界中で計測されたデータも参照でき、研究にも利用可能だ。また、レポートや生育ステージに応じた情報も受け取ることができる。

「生育スケルトン」のWebインターフェイスには、チャット機能も完備。ある上場企業では、出資先である大規模植物工場の生産管理指導において「生育スケルトン」を活用している事例もある。

利用価格は、1区画(8サンプルの計測)で月あたり2,000円から。作物の生育管理に悩んでいたり、なかなかツールに手を出せずにいる人は、ぜひ導入を検討してみてはいかがだろうか。

DATA

PLANT DATA株式会社

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 肥料価格高騰のなか、地域資源循環に高評価! 牛ふん・汚泥・食品残渣などを混合した完熟堆肥を活用...
  2. 【参加受付中!】日本農業のこれからを考える『第3回次世代農業セミナー』を開催!...
  3. 生産と収穫データを連携させるメリットとは? 独自のスマートシステム構築事例を紹介!...
  4. 水田除草もスマート化! これから活躍が期待できる除草ロボット3選
  5. ハウスの高温対策に! 炭酸カルシウムのパイオニア企業が生み出した遮光資材...
  6. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  7. 業界初!60度の急斜面でも草刈り可能な草刈機「ベローン」で安心・安全&ラクな作業へ...
  8. 【家庭菜園】きゅうり栽培で大事なポイントとは?ベストな肥料や正しい栽培方法を徹底解説!...
  9. 人気Youtuberがメリット・デメリットを紹介!刈払機の安全性を高めるアタッチメントとは?...
  10. 喜界町で実践する新しい排水対策。目詰まりしにくい暗渠排水材「ドレインベルト」に迫る...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.35|¥0
2025/04/18発行

お詫びと訂正