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農家だから実現した! 家族単位でハワイに短期留学

「農家で良かった」と感じるエピソードを紹介! サラリーマンで共働きだったら決してできなかったであろう家族単位の短期留学……きっかけは熊本地震。ハワイの教育機関に思い切って短期留学をすることにした大津さんに話を伺った。

きっかけは熊本地震
家族単位の「短期留学」

我が家は米の専業農家なので冬は農閑期となります。もちろん冬の間でもやることはいくらでもあるのですが、これまでも1ヶ月程度の旅行を農閑期にしてきていました。が、今回は就農して以来はじめて、3ヶ月も阿蘇を離れています。

きっかけは熊本地震。私が住んでいる南阿蘇村では、橋とトンネルが崩れました。夏の間は迂回路として外輪山を超えていましたが、冬場は凍結することが分かっており、「冬には陸の孤島になるだろう」と言われていました。そんな中、以前から興味を持っていたハワイの教育機関に思い切って短期留学をすることにしたのです。それも家族で。小学生の子供たちは3学期を丸々休むことになりますが、「自分たちで勉強するから一緒に行く」という意思を見せたので、尊重することにしました。お金はかかりますが、やる気のある子供が持つ吸収力をもってすれば、英語の上達が見込めるだろうと判断しました。お正月明けから家族でハワイなんて言うと芸能人っぽいですが、営農人です(笑)

主な目的は、ハワイ大学との共同研究をスタートさせること。目指しているは「島国における持続可能な社会の実現」です。NPO法人田舎のヒロインズの理事さん2人(現役女性農家たち。彼女たちも農閑期)も合流し、農場や学校などを訪ねて回わったり、研究者や農家や教育関係者との交流を進めたりしています。

ハワイも日本も島国。食べ物もエネルギーも輸入に頼っている部分が大きく、優秀な人材は外に出て行ってしまう傾向にあります。政治や経済の先行きが見えない日米両国において、どうすればローカルな取り組みで「持続可能な社会」を形にしていくことができるか。しっかり意見交換をして帰国したいと思います。サラリーマンで共働きだったら決してできなかったであろう家族単位の短期留学。やっぱり農家で良かったです!


大津愛梨(おおつえり)

熊本県南阿蘇村在住。O2ファームを営む4児の母。農業(無農薬米の栽培、あか牛の放牧)を営む傍らバイオマスの普及、実践に取り組む。都市と農村交流や地域活性化、文化伝承など様々な事業にも精力的に活動。

「AGRI JOURNAL」vol.3 より転載

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