生産者の取組み

被災地から発信。農業の未来を考えるシンポジウム

3月10日は農山漁村女性の日。この日、一昨年の熊本地震で大きな被害を受けた熊本県南阿蘇村で「農業・農村の未来を考えるシンポジウム」が開催された。 被災地から全国へ、また、次の世代へと引き継がれてゆく「活動のタネ」を大津愛梨氏がレポート。

次世代に引き継がれている
「活動のタネ」

3月10日は農山漁村女性の日。熊本県南阿蘇村で農業・農村の未来を考えるシンポジウムを開催しました。一昨年の熊本地震で大きな被害を受けたこの場所で、地震前より良くなったと思える「創造的復興」を目指す活動の一環として企画した次第です。主題は「タネ」。農家にとって財産ともいえる在来種等のタネや、被災地で始まっている芽吹き(つまり”希望のタネ”)に関する話題の他、 4月に廃止される「種子法」にも触れました。

基調講演には、ファッション業界から農業界に転身して、東京の青梅市で固定種や在来種の野菜を無農薬で栽培する太田太氏を、 トークセッションのゲストには、「半農半歌手」を名乗る千葉のYaeさんをお呼びしま した。彼女は「種まき大作戦」というイベントを10年間も開催し続けた、まさに「種まき伝道師」とも言える女性なのです。オリジナルの「名も知らぬ花のように」という曲に乗せて、 7年前の3月11日に生まれた赤ちゃんたちの映像が流れ、「あの日、失ったものばかりではなかった」という力強いメッセージが会場に投げかけられました。

同時開催した「第18回全国菜の花サミット」は、琵琶湖の水質を守るために始まった資源循環の活動「菜の花プロジェクト」の全国集会。九州での全国サミット開催は初めてだったそうで、北は北海道から、被災地つながりで南相馬から、全国各地からの参加者が駆けつけてくれました。

代表の藤井絢子さんは非常にエネルギッシュな女性ですが、農業界でも環境活動の分野でも「世代交代」というのは言わば頭痛の「タネ」。今回は、主な登壇者を40代前半以下にし、シンポジウムの最後に読み上げる「菜の花サミット宣言」も、子育て真っ最中の私とYaeさん(40代)で読み上げました。会場にも子供たちの姿が何人も見られ、先輩方が蒔いた「活動のタネ」が次世代に引き継がれている事を示すことができたように思います。

プロフィール

大津愛梨

熊本県南阿蘇村在住。O2ファームを営む4児の母。農業(無農薬米の栽培、あか牛の放牧)を営む傍らバイオマスの普及、実践に取り組む。都市と農村交流や地域活性化、文化伝承など様々な事業にも精力的に活動。


AGRI JOURNAL vol.07より転載

施設園芸・植物工場展 2018 (GPEC)

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