ソーラー発電設備付きなのに安い!? 高耐候の農業用ハウスが話題
2018/12/05
農業用ハウスに今、革命が起きている。設置費用は、ソーラー発電設備付きでも従来のハウスよりも 大幅に低価格を実現。悪天候に耐える頑丈さも誇る。そんなハウスを実際に導入した農家を訪ねた。
城里アグリ株式会社 鄭 豊之さん
2015年城里アグリを設立。「農業で地域おこし」をモットーに発電設備付きハウスで野菜を栽培。
太陽光発電パネルの
下の作物のほうがよく育っていた
茨城県内で城里アグリを経営する鄭豊之さんの農業用ハウスでは、ルッコラや空芯菜が青々と茂っていた。屋根上で、ソーラー発電パネルが太陽光をキャッチしているおかげでハウス維持にかかる電気代は無料。パネルの隙間からこぼれた光が、葉物の好む絶妙な日当たりを生み出している。
ハウス内では、ルッコラや空芯菜を水耕で試験的に栽培。
太陽光発電パネルの下の作物の方がよく育った。
このハウスを設計・建設したのは、再生可能エネルギーによる電源開発を行う日本パワープラント。同社は中国の施設園芸ハウスメーカーと共同開発し、設置費用を国産ハウスの2分の1に抑えた。骨組みにはスチールとアルミを使い、耐風速32m/s、耐積雪35cmと、台風や雪など自然災害にも強い(茨城県の基準で設計)。初期コストを抑えたい新規就農者には心強い。
実は、鄭さんも3年前、環境系企業から農の世界に飛び込んだ一人。親や親戚の農地が休耕地と化す様子に「なんとかしなければ」と自家発電によるハウス栽培に挑戦。今では取り組みを見てハウス建設を申請する農家もおり、町の成功モデルとなっている。
今後は空調設備完備のハウスを増設し、シイタケの栽培やアワビ養殖に乗り出す。来年には従業員を8人増やし、農地は約15haに拡大する方針だ。「後継者がいない農地を集約し、農業を町の基幹産業にしたい」と意気込んでいる。
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photo: Nahoko Suzuki text: Madoka Nara
AGRI JOURNAL vol.09(2018年秋号)より転載