安定的かつ効率的な作物生産を! 土壌と作物を分析して生育状況を管理できる新サービス
2020/06/15
パナソニック株式会社は、土壌と作物を分析して生育状況を管理できる「栽培ナビ ドクター」を提供開始。土壌総合診断、土壌定点診断、作物体診断により、土壌と作物の状態を見える化。また栽培ステージに応じて対処法のアドバイスが行われる注目のサービスだ。
3つのサービスで
土壌と作物を見える化へ
パナソニック株式会社は、土壌と作物の両方を分析して生育状況を管理する、農作物の生産支援サービス「栽培ナビ ドクター」の提供をスタートした。
農作物の収量や品質の安定、また向上させるためには、土壌管理は重要なタスク。それに対応して提供されるのが(1)土壌総合診断、(2)土壌定点診断、(3)作物体診断の3つの診断サービスだ。
土壌と作物の両方の状態を見える化し、栽培ステージに応じた土壌と作物両方の定期的な分析により、その時に必要な対処方法として、肥料や資材の施肥設計をアドバイスする。「今、作物はどのような状態で、何を欲しているのか?」を探ることができる。肥料や農薬などの過剰な使用を抑え、環境への負荷を軽減しつつ、安定的で効率的な栽培方法の確立をサポートする狙いだ。
1:土壌総合診断サービス
耕起(施肥前)の土壌の状態を総合的に診断する。
光合成をはじめとする生化学反応に欠かせないマグネシウムや、有機栽培に必要なミネラル群などを含む26項目(水稲の場合27項目)を分析。栽培する作物に必要な成分の過不足を把握することができて、最適な土壌づくりを支援する。減農薬、減化学肥料栽培、有機栽培に活用できるとのことだ。
価格は26項目で税別1万5000円。水稲の場合は1項目追加される。
2:土壌定点診断サービス
作物の生育段階に合わせて実施する土壌診断。
生育に必要な土壌の状態・成分の過不足を知ることができる。作物の成長の遅れや、生育不全が起きている時、開花・着果不良、いつもと違う病害虫が発生している時に実施すると効果的とのことだ。
価格はミネラル含む20項目で税別1万円、12項目では税別5000円。水稲の場合は1項目追加される。
3:作物体診断サービス
栽培中もしくは収獲した作物そのものを診断する。
糖度や酸度、光合成による葉緑素と、その中心となる交換性苦土、植物細胞の生成に関係する交換性石灰や交換性カリ、必要とされるアミノ酸に関係する硝酸態窒素、浸透圧による吸収に関係するナトリウムなど8項目を分析。作物・収獲物の状態が分かるとのことだ。
価格は税別3000円。
マイページでは
PDCAサイクルを管理
「栽培ナビ ドクター」は分析の申し込みから分析結果閲覧、施肥アドバイスなどをWEB上で展開。同社が提供中の他サービス「栽培ナビ」を利用している場合、同じIDとパスワードが使える。
「栽培ナビ ドクター」マイページにおいては、自身の栽培を振り返るための栽培結果を管理できる。分析結果の中から、特に重視する項目を3つ選択して画面をカスタマイズできる機能があるほか、具体的な計画を立てて実行し、記録・確認、改善を行うPDCAサイクルを管理できる機能を持つ。生産者が目標とする栽培方法の実現をサポートする。
生産者が利用する肥料、資材も管理できる機能も近日公開予定で、今後もサービス内容を拡充するとのことだ。豊富な分析項目で、有機栽培やこだわりの栽培にも使える本サービス。同社としても、持続可能な循環型農業の実現を支援していく考えだ。
DATA
文:竹中唯