【九州農業WEEKリポート②】コナジラミをLEDで誘引してノックアウト
2025/06/24

2025年5月28日(水)~30日(金)、西日本で最大規模の農業・畜産の総合展「第4回九州農業WEEK(通称 J-AGRI KYUSHU)」が、熊本市のグランメッセ熊本で開かれた。植物の葉裏に群生して汁液を吸うコナジラミをLEDでおびき寄せる光誘引駆除機を紹介する。
日本とアジアの農業市場の
持続可能な発展に貢献
展示会場のグランメッセ熊本(熊本市)
農業WEEKは、毎年5月に熊本市のグランメッセ熊本、10月に千葉市の幕張メッセで開催される農業・畜産の展示会。農業資材、スマート農業製品、畜産資材、6次産業化製品、脱炭素・SDGs製品が日本国内だけでなく世界の国々から出展され、農業法人、畜産農家、農協、参入検討企業などが九州及び近隣のアジア諸国から来場する。
九州農業WEEKは、「日本とアジアの農業市場の持続可能な発展に貢献する」ことをビジョンに掲げ、農業に関わるすべての人にベネフィットを提供することを目指している。会場のグランメッセ熊本は、九州各地からアクセスが良いため、西日本で最大規模の展示会として定着している。今回は、「スマート農業EXPO」、「農業資材EXPO、「次世代 農業経営EXPO」、「畜産資材EXPO」、「農業 脱炭素・SDGs EXPO」の5つの展示会に約270社が出展し、期間中1万1000人以上の来場者がつめかけた。
コナジラミを
LEDで誘引してノックアウト
コナジラミ光誘引駆除機(出典 大和コンピューター)
植物の葉裏に群生して汁液を吸うコナジラミ。植物を弱らせる厄介な害虫である。生育が速く、単為生殖(メスだけで繁殖)で増えるため、放っておくと大量発生して手に負えなくなってしまう。
サカタのタネが販売しているコナジラミ光誘引駆除機「ピカとる」は、コナジラミを誘引する特定周波(特定色)のLEDを使ってコナジラミを捕獲する。黄色LEDランプの設計と配置の最適化に加え、吸引力とスリット幅との適切なバランスが特徴だ。
コナジラミ光誘引駆除機は、大和コンピューターの子会社で農作物の生産・加工・販売を手掛けるルーツが静岡理工科大学の技術的なサポートを得て開発した。駆除機の使い方は至って簡単。圃場内に駆除機を置いて100ボルトの電源を入れるだけだ。
LED光に誘引されて集まったコナジラミを、吸込口から吸引・回収する。駆除機の使用により、農薬の散布回数を減らすことができる。殺虫剤などの農薬の使用を必要最小限にすることで、コナジラミの農薬に対する抵抗性発達を遅延させることも可能である。
販売に関する問い合わせ先
株式会社サカタのタネ ソリューション統括部
TEL:045-945-8806
取材・文/ 高橋健一