【GPECリポート⑤】環境制御で猛暑を克服する施設園芸の最先端ソリューション
2026.07.30
2026年7月15日~17日、国内最大規模の施設園芸・植物工場展2026(GPEC)が、東京ビッグサイトで開かれた。出展したブースのなかから、環境制御で猛暑を克服する施設園芸の最先端ソリューションを紹介する。
最新のスマート農業技術や
省エネ技術が注目を集める
東京ビッグサイトで開催された施設園芸・植物工場展2026(GPEC)
日本の施設園芸は、世界情勢の緊迫化に伴う原油高や原材料費の引き上げなど、外部環境の急激な変化に直面している。ハウスの新規建設費用や維持管理費は、かつての生産環境と比較して1.5倍から2倍近くにまで上昇しており、生産者の経営を大きく圧迫している。さらに、夏場の猛暑や地球規模の気候変動は作物の安定生産を脅かす深刻な要素となっており、迅速な対応が緊急の課題となっている。
こうしたコスト面や環境面での厳しさが増す一方、現場を支える労働力の不足もより深刻化している。加えて、国が進める「みどりの食料システム戦略」に見られるように、生産性の向上と環境負荷低減を両立させた持続可能な農業への転換という新たな指針への対応も求められている。
「施設園芸・植物工場展(GPEC)」は2年に一度開催される。今回は国内外から265のブースが出展し、最新のハウス資材や環境制御システム、自動化・省力化機器、植物工場向け栽培設備などが披露された。生産性向上や燃油・資材高騰への対策、異常気象対応といった現代の農業経営者が直面する課題を解決する、最先端のスマート農業技術や省エネ・エネルギー活用技術が注目を集めていた。
環境制御で猛暑を克服する
施設園芸の最先端ソリューション
株式会社誠和の展示ブース
株式会社誠和は、施設園芸の環境計測や制御機器の開発から独自の栽培サポートまで総合的な技術を提供する。同社が提示する実践的なシステムや各種ソリューションは、夏の厳しい暑さからハウス内の作物を守り、安定した生産へと導く手段として高い実用性を誇る。近年、夏季の極端な高温化が常態化するなか、施設園芸においてはこれまで以上に精緻な環境管理が求められており、同社の先進技術が解決への道筋を示している。
特に同社が展開する「光合成モニター」は、センサーが捉えた環境データをもとに、ハウス内における作物の光合成環境をクラウド上で数値およびグラフとして見える化する。これにより、過剰な温度上昇や強い日差しによる環境ストレスがもたらす光合成の低下を素早く、かつ的確に把握することが可能となる。経験や勘だけに頼るのではなく、データに裏打ちされた客観的な環境調整を行うことで、作物の生命活動を最適に維持する。
さらに、夏の栽培管理で極めて重要となるのが水分のコントロールである。同社の潅水管理追跡システム「プロトラッカー」は、複雑な設定を必要とせず簡単に設置でき、培地内の給排水状況や水分量をリアルタイムに視覚化する。豊富な栽培知見と高度なデジタル技術を組み合わせた同社のシステム群は、過酷さを増す夏季の気象条件下においても施設作物の健全な育成を支え、収量と品質の維持を強力に後押しする。
DATA
取材・文/アグリジャーナル編集部
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