今後の病害虫予測発表!作物を守るため要チェック!
2018/05/02
農林水産省は、4月18日、向こう1ヶ月の主要な病害虫の発生予察情報(発生予報)について発表した。詳細を確認してしっかり対策しておこう!
病害虫について
水稲・麦類
・昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒を的確に実施し、健全な種子を使用した育苗に努める必要がある。特にいもち病及びばか苗病については、一部の薬剤に対して耐性菌が発生していることから、都道府県から提供される発生予察情報等を参考に効果的な薬剤による防除を実施すること。また、向こう1ヶ月の予報では気温が平年より高いと予想されていることから、もみ枯細菌病が発生しやすい可能性がある。浸種から育苗期間にかけて温度管理に注意しよう。
・縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病であるため、当該虫を対象とした防除を実施することが重要になる。近年、圃場で本病の発生が高まっている地域にあっては、ヒメトビウンカに効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施を検討するべきだ。なお、3月の調査の結果、ヒメトビウンカのイネ縞葉枯病ウイルスの保毒虫率が高かったとして、茨城県からは注意報が発表されている。
・赤かび病は、麦の種類に応じて最初の防除を行うことが重要になる(下記参照)。昨冬から今春にかけて気温の上昇が大きかった地域では、麦の生育が当初の予測よりも早まり、早く出穂している圃場もあることから、都道府県の提供する発生予察情報等を参考に、地域ごとの防除適期を確認して適切に防除を実施すること。 なお、防除適期に降雨が続く場合は、降雨の合間に防除を実施すること。
【麦の種類と、最初の防除を行う生育時期】
小麦:開花を始めた時期から開花最盛期まで
二条大麦:穂揃い期の10日後
六条大麦:開花を始めた時期から開花最盛期まで
野菜類
アザミウマ類、アブラムシ類及びコナジラミ類の発生が一部地域の施設栽培で多くなると予想されている。これらの害虫は、作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られており、発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、圃場の観察をきめ細かく行うとともに、発生初期に防除を実施すること。
また、これら微小害虫では薬剤感受性の低下が懸念されるので、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に薬剤を選定するとともに、天敵生物を利用した防除の実施についても検討するとよい。
果樹
果樹カメムシ類の発生が、近畿、北九州等の一部の地域で多くなると予想されており、4月に、越冬成虫の発生が多いとして愛知県及び静岡県から注意報が発表されている。山林等の越冬場所から離脱した成虫が春の気温の上昇とともに餌を求めて移動し、うめ、もも、びわ、なし等の幼果を加害する。昨年夏以降に本虫の発生が多かった地域では、越冬成虫の発生も多くなるおそれがあるので、注意が必要。 本虫の飛来状況は地域や園地により異なるので、都道府県の発表する発生予察情報等を参考にしつつ、園内を注意深く観察し、飛来が認められた場合は、飛来初期から防除しよう。