注目キーワード

政策・マーケット

水田フル活用政策、来年度は「産地交付金」さらに手厚く

水田を活用して、主食用米ではなく麦や大豆、飼料用米などを生産する農業者には「戦略作物助成金」、都道府県には「産地交付金」が支給されている。8月31日に農水省が発表した来年度予算概算要求によると、来年度は産地交付金がさらに手厚くなる見通しだ。

政府主導の減反政策から
地域ごとの水田活用へ

主食用の米の需要は、毎年減少している。そのため政府は、米の生産調整(減反政策)を行っていたが、昨年度で終了。今年度からは、各地域主体の生産に切り替えた。

各地域では、農業再生協議会によって「水田フル活用ビジョン」が作成され、米の作付目標などが決められた。減反政策時代から引き続き、主食用米は需要の減少に合わせた生産量とする一方で、水田を他の市場ニーズのある作物の生産へと切り替えていく狙いがある。

その後押しとなるのが「水田活用の直接支払交付金」制度だ。水田を活用して、麦や大豆、飼料作物などを生産する農業者に助成金を交付することで、主食用米から他の作物への切り替えを促している。

以前から実施されてきた同制度は、各地域主体の生産となった今年度も継続。今年度の対象の作物(戦略作物)と交付単価は、以下の通りだ。


戦略作物助成(出典:農林水産省)

また、政府が助成するのは、農家だけではない。都道府県に対しては「産地交付金」が配分される。これは、二毛作や耕畜連携などを含めて、地域の特色のある魅力的な産地を創造するための支援策だという。


産地交付金(出典:農林水産省)

来年度予算も同額を要求
産地交付金をさらに手厚く

今年度の「水田活用の直接支払交付金」の予算額は、3,304億円だった。8月31日に農林水産省が発表した、来年度予算概算要求の「水田活用の直接支払交付金」の項目を見ると、今年度と同額の3,304億円という数字が記載されている。この金額は、他の多くの項目よりもひとケタ以上多く、同省がこの事業にいかに力を入れているかがわかる。

さらに来年度は、産地交付金が今年度以上に手厚くなる見通しだ。今年度と同様の配分に加えて、「高収益作物等の作付面積が拡大した場合には、その面積に応じて、2.0万円/10aを追加配分(高収益作物等拡大加算)」するという。

DATA

農林水産省

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  2. アゲトラ・コンプリートからDIYペイントまで! 軽トラカスタムがアツい
  3. ヒサルラー作業機の導入効果は? ラバータイプディスクハロー、ディープチゼルの購入者に聞いた...
  4. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  5. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  6. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  7. 凍霜被害は低コスト・高効率に対策できる! 防霜バイオスティミュラント資材に迫る...
  8. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  9. 化学農薬に依存しない近未来の防除技術「青色レーザー」「オールマイティ天敵」「共生微生物」に迫る...
  10. 10年掛かる土壌改良が短期間で可能に! 天然腐植物質に含まれる「フルボ酸」の効果とは...

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.30|¥0
2024/01/19発行

お詫びと訂正