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高齢化、就農者減少……荒廃農地増加が意味すること

近年、日本の荒廃農地面積は増加傾向にある。荒廃農地が増えることは何を意味し、どのような問題につながるのか。その対策についても考える。

最大の原因は就農人口の
減少による労働者不足

先日、農林水産省から平成28年度の荒廃農地面積が発表された。その面積は全国で28.1万haで、このうち「再生利用が可能な荒廃農地」は約9.8万ha(農用地区域では約5.9万ha)、「再生利用が困難と見込まれる荒廃農地」は約18.3万ha(農用地区域では約7.4万ha)だった。

現在、増える一方の荒廃農地だが、その原因は様々だ。
最も多いのが、都市部に先駆けて農村地域で進行する高齢化や人口減少のため、農業就業者のリタイヤや、就農者の減少による労働力不足。その他、土地持ち非農家の増加や、農作物価格の低迷も、農地を荒廃させる要因となっている。

 

では、荒廃農地の増加がどのような問題を生み出すのか。
まず、生産基盤の脆弱性が進行し、集落を構成する人口が減ってしまう。すると農地・農業用水等の地域資源の維持管理や生活サービスの提供などの継続に支障を及ぼす懸念があるのだ。

また、農業就業者が著しく減ってしまうことで、農業に関する貴重な資源や技術の伝承が途絶えてしまうおそれもある。

農地中間管理機構や
交付金の活用で事態は好転?

この問題を解消するために、いろいろな取組が行われている。その1つが各都道府県に整備された農地中間管理機構による担い⼿への集積・集約化だ。

地域の状況に応じて、人、農地プランと連動した取り組みを行ったり、公募した新規参入企業のニーズに対応した取り組みを行ったりしている。

また、荒廃農地を生き返らせる取り組みに対して、耕作放棄地対策協議会から支給される交付金も活用されている。

例えば、北海道の農業生産法人は、酪農跡地の広大な荒廃農地を利用してダッタンそばを作付け。地域の特産品として販売し、町の活性化に大きく貢献している。このような取り組みを広く周知することで、農地回復の動きが活発化することが期待される。

今後、世界では人口増加に伴う食糧不足が懸念されている。荒廃農地を蘇らせ、食料自給率を上昇させることが、問題解決の一助となるかもしれない。

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