政策・マーケット

食農ビジネスで事業拡大を! 起業・販路開拓のプロが語る、商品を売るために大事なことは?

「加工品を作ったけど売れない……」を防ぐ! 商品を売れるようにするための基本的なポイントと、今後押さえておくべき食のトレンドについて紹介。

昨年開催された「農と食のSDGs~女性の起業と復興」にて、「起業支援・販路開拓」をテーマとした講演が行われた。本記事では登壇した「株式会社ソフィットウェブコンサルティング」の代表・吉枝ゆき子さんの活動内容を交え、講演内容をお届けする。

きちんと利益を確保し
還元するのが大切

おもにウェブコンサルティングやビジネスコンサルティングを手がける「株式会社ソフィットウェブコンサルティング」。代表の吉枝ゆき子さんは、スタートアップ支援のプロフェッショナルで、女性の起業支援施設「女性起業UPルーム」のナビゲータや各種セミナーの講師を務めるなど、幅広く活躍している。現在にいたるまで、吉枝さんは、起業に関する相談を3800件ほど担当したという。


株式会社ソフィットウェブコンサルティング代表の吉枝ゆき子さん

さまざまなケースを見聞きするなかで、吉枝さんが実感したのは、「商品の質、集客の仕組み、セールススキルのすべてが整うことで、起業は成功する」ということ。

まずは、”売れる商品”を企画するのが大切です。そのうえで、ネットショップなどを立ち上げ、集客をします。しかし、これだけでは、思うような結果が出ないことが多々あります。商品を必要としている人に情報がきちんと届くよう、効果的な集客方法を取り入れ、分かりやすいセールスコピーを発信するのが重要なんです」。



一方で、起業したにも関わらず、大きな収益が得られない女性起業家の存在も目立つそう。

「女性起業家には、“いい商品だから、安く提供し、たくさんの人に利用してもらいたい”と考える傾向があります。でも、せっかく起業したのだから、きちんと利益を上げてほしいですね。利益を広告費として使ったり、従業員の給料アップに役立てたりすることで、会社がより良い方向に向かうと思います」。


イベントでは、ミニマルシェも行われた。写真は、「女性起業UPルーム」の卒業生・中条恵理さんが商品化した無添加シフォンケーキ。

また、収益をアップさせるには、付加価値を生み出すのが大切、と続ける。

「例えば、魚を商品とした場合、魚を燻製やオイル漬けに加工すれば、より高く売ることができます。あるいは、魚を獲るための新たな仕組みを発明したり、魚を一人で獲るためのスキルを身につけたりするのもいいでしょう。経営者になってたくさんの漁師を配下に持ったり、投資家として稼いだお金を増やしたりするのも、方法の一つだと思います」。

『安心・安全』『持続可能』が
世界の大きなトレンドに

吉枝さんいわく、“食”と“農業”に関連するビジネスは、「女性の視点や能力が活きやすいビジネス」。買い物の決定権は女性が握っている家庭が多いこと、女性が手がけた食品に対し安心感を抱く人が多いことが、主な理由にあげられるという。また、“食”と“農業”は、人々が生活するうえで必要不可欠であるため、社会で求められるビジネスになりやすいと話す。

「近年、『安心・安全』『持続可能』というキーワードが大きなトレンドとなっており、世界的にみても、無農薬野菜やオーガニック野菜の需要が高まっています。“食”と“農業”は注目されているため、さらなる成長が期待できる分野です」。

「女性起業UPルーム」にて、吉枝さんが手がける「女性起業家たまご塾」の卒業生のなかには、“食”の分野でビジネスを立ち上げ、大成功させた人もいる。日本初となる、国産のルバーブソース『ルバペーニョ』を発売した岩田都さんが、その一人だ。

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ルバーブソース『ルバペーニョ』(写真引用:ルパペーニョ公式HPより)



「『ルバペーニョ』は、アラスカ産の無農薬ルバーブとハラペーニョを合わせたソースで、業界ではとても良質なことで知られています。容器を再利用しやすいよう、剥がしやすいラベルを使用している点も、評価されているポイントの一つです。また、岩田さんは、メーカーとコラボし、グルテンフリーのラーメンやオーガニック食材を使った餃子など、新たな商品も開発し、ヒットさせています」。

安心・安全なうえ、環境にも配慮した商品であることが、ヒットの大きな要因となったようだ。

吉枝さんは、こうした“食”におけるトレンドや、無農薬野菜・オーガニック野菜の需要の高まりを受け、「無農薬農家の一覧サイト」をリリースする予定。

「企業や一般の消費者が、無農薬野菜を手がける農家さんにスムーズにたどりつけるよう、このサイトを企画しました。また、女性の起業家がこうしたツールを使うことで、どんどん事業を拡大していけたらうれしいです」。

DATA

農と食女性協会


Photo&Text:Yoshiko Ogata

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