注目キーワード

政策・マーケット

神木隆之介が天才植物学者に! 朝ドラの舞台・高知の生産現場で実感した「強さと努力」

「日本植物学の父」との異名をもつ、高知県出身の天才植物学者・牧野富太郎を主人公のモデルにした、連続テレビ小説「らんまん」が放送中! 主人公・槙野万太郎を演じる神木隆之介さんが、生産現場を訪れて感じたこととは?

「日本植物学の父」の
屈託のない笑顔に惹かれて

この春、スタートした連続テレビ小説「らんまん」の主人公は、植物を愛し、やがて植物学の世界へ没入していく槙野万太郎。万太郎のモデルとなったのは、「日本植物学の父」との異名をもつ天才植物学者、牧野富太郎氏だ。

牧野氏は、自分の信じた道を突き進む、大胆不敵でまっすぐな人物だったことでも知られている。現在も残されている牧野氏のポートレートのなかには、同氏の屈託のない笑顔を写したものも。「らんまん」の制作統括を務めた松川博敬さんいわく、「牧野氏の“くしゃり”とした笑顔を見た時、神木隆之介さんの無邪気な笑顔が思い浮かびました」とのこと。これが大きなきっかけとなり、神木さんは、「らんまん」の万太郎役に抜擢された。

万太郎役を演じるにあたり、牧野氏の資料館を訪れるなどし、役づくりをしたという神木さん。牧野氏に対して抱いた印象をこう語る。

資料館で目にしたもののなかで特に印象に残ったのが、キノコを手にして無邪気に笑っている牧野氏の写真です。また、日頃の姿を写した写真だけでなく、ポスターなど商用で撮られた写真も見ましたが、そこでも顔をくしゃくしゃにして笑っていて。牧野氏の笑顔と、どんな時も飾らないキャラクターに惹かれました」。このように牧野氏について調べ、学んでいくなかで、さらなる魅力を知ったという。

「牧野氏は、さまざまなシーンで周囲の人に手助けされていたようです。植物のことになると一生懸命になり、周りが見えなくなるほど集中してしまう牧野氏を、みんな放っておけなかったのかもしれません。いずれにせよ牧野氏は、周囲の人たちから愛される、魅力的な人物だったのだと思います」。こうして得た牧野氏への印象や考察は、すべて万太郎を演じるうえでの糧に。

「ポスター撮影には、自分のなかで確立した万太郎のキャラクターを反映する気持ちで挑みました。また、ドラマの撮影時は牧野氏のイズムを重視しつつも、オリジナリティが出せるよう、万太郎役を演じています。演じ込むうちに、万太郎のキャラクターが確立され、自分のなかで生きてくるようになってドラマがラストを迎える頃、視聴者の方々は、万太郎というキャラクターをどのように捉えるのか。僕自身、とても楽しみにしながら演じています」。



規格外の野菜も
おいしくいただきたい

「らんまん」は神木さんにとって、生産の現場に触れるきっかけにもなった。作品と同じ高知で撮影した書籍「かみきこうち」の制作のため、神木さんは、高知県の名所や名工に加え、圃場も訪ねている。「訪問したのは、ゆず農家さんです。ゆずの収穫を体験させてもらい、ゆずを使ったジュースもいただきました。ゆずの芳しく、落ち着く香りは忘れられません」と、神木さんは楽しそうに振り返る。


「かみきこうち」(NHK出版)より

また、圃場で働く人々の姿も、印象に残ったという。「異常気象のせいで、大切に育てた作物がだめになってしまう場合もあるそう。でも、ゆず農家の方々は、そうした苦労を感じさせることなく楽しそうにお仕事されていて僕らが口にしている作物は、農家さんの強さや努力のもと、成り立っているんだと実感しました」。労苦のもと育て上げられた作物だからこそ、余すことなくいただきたい。そんな思いも生まれたそう。

「スーパーマーケットなどで時々、『訳あり』と銘打たれた野菜や果物を見かけます。でも、傷がついていたり形がいびつだったりしても、皮を剥いて切ってしまえば、正規品と何も変わりません。けれども生産の現場では、傷物や形がいびつな作物は廃棄されているそう。高知県でゆず農家さんをはじめ、食に関わる方々とお話したのを機に、廃棄野菜について『もったいない』とさらに思うようになりました。僕には流通や農業経営に関する知識がないので、踏み込んだことは言えません。でも僕は、そうした規格外の作物も、ぜひおいしくいただきたいです。また、規格外の作物も、歓迎する人が増えたら嬉しいですね」。



DATA

連続テレビ小説「らんまん」


写真提供:NHK

連続テレビ小説108作目となる「らんまん」は、高知県出身の植物学者・牧野富太郎の人生をモデルとしたオリジナルストーリー。時代は幕末から明治、そして激動の大正・昭和へ――。そんな混乱の時代の渦中で、愛する植物のために一途に情熱的に突き進んだ主人公・槙野万太郎(神木隆之介)とその妻・寿恵子(浜辺美波)の波乱万丈な生涯を描く。4月3日より放送中。

連続テレビ小説「らんまん」公式ホームページ
 

「かみきこうち」

著者/神木隆之介
出版社/NHK出版
¥2,090(税込)
 

PROFILE

神木隆之介
かみき りゅうのすけ

1993年生まれ、埼玉県出身。2歳で芸能界デビューし、ドラマ・映画・CMはもちろん、YouTubeチャンネルでの動画配信など、多方面で活躍。主な出演作は、映画『妖怪大戦争』『桐島、部活やめるってよ』『3月のライオン』『るろうに剣心』シリーズ、ドラマ「探偵学園Q」「SPEC」シリーズなど。また『千と千尋の神隠し』や『君の名は。』などで、声優としても高い評価を得ている。主演をつとめる映画『大名倒産』が6月23日公開予定。


写真/小野正博
取材・文/緒方佳子
スタイリング/カワサキタカフミ
ヘアーメイク/MIZUHO(vitamins)

関連記事

農業機械&ソリューションLIST

アクセスランキング

  1. 土壌の保水力・保肥力を向上させる「EFポリマー」が日本随一の畑作地帯・十勝に上陸!...
  2. 軽トラカスタムの新潮流!親しみやすさが人気の『レトロカスタム』
  3. 強力な多年生雑草もすっきり一掃! コメリのおすすめ除草剤「マルガリーダ」とは?...
  4. 被るだけで-10℃!?1ヶ月で完売した「ウルトラライトハット」が今年も発売...
  5. 薄緑の葉色は「鉄欠乏」のサイン? 予防と対策は?
  6. アザミウマの発生を1/10程度に削減! イチゴ農家を救うLEDの赤い光
  7. 雑草のプロフェッショナルに聞く! 草をマルチにするメリットと留意点
  8. 低コストで高耐久! 屋根の上で発電もできる「鉄骨ポリカハウス」
  9. JAが「農業協同組合」であり続けるために 経営危機を乗り越えるためにすべきことは?...
  10. 日本初、土壌水分センサーを120個設置! ICTが導くみかん栽培の最先端

フリーマガジン

「AGRI JOURNAL」

vol.31|¥0
2024/04/19発行

お詫びと訂正