鈴木農相 5月19日記者会見「秋用肥料の原料は、おおむね調達のめどが立っている」
2026.05.19
鈴木農林水産大臣は5月19日の記者会見で、JA全農が秋肥価格で、春肥と比べて最大で14.5%の引き上げを発表したことについて、「6月以降に販売する秋用肥料の原料について、おおむね調達の目途が立っている」と述べた。
メイン画像:記者会見する鈴木農相(出典 農林水産省)
鈴木農水大臣
記者会見概要
―今年の夏の猛暑とコメ生産に関して伺います。国内外の気象機関がエルニーニョ現象の発生を予測しており、また、米国の機関は、先週、より強いスーパーエルニーニョになるという予測も出しています。今夏も猛暑が見込まれますが、食糧法改正案に盛り込んだ、需要に応じた生産について、こうした気象が変動している中でも、需要に応じた生産・供給は可能と考えておりますでしょうか。大臣のお考えをお聞かせください。
大臣 今年の夏の気候につきましては、気象庁から、全国的に気温が高くなるという予報が発表されているほか、アメリカの海洋大気庁からも、エルニーニョの発生する確率が高いとの発表がされていると承知をしております。
今年の夏に限らず、高温が常態化をしていること、これを踏まえまして、にじのきらめきなどの高温耐性品種の開発・普及に取り組んできているところであります。また、技術的な対応として、令和8年4月に公表しました、農業技術の基本指針におきまして、生育に応じて追肥を行うこと、また、稲穂が出た後に乾燥させないなどの水管理を徹底をするということ、そしてまた、渇水対策として、排水の反復利用などを行い、農業用水を有効活用することなどを示してきているところであります。さらに、毎月、都道府県への聞き取りなどにより、水稲の生育状況を調査しておりまして、今後とも、高温などによる状況を注視しつつ、需要に応じた生産・供給が図られるように対応してまいります。
生産者の皆さん、もうここ数年、毎年毎年、かなり猛暑になってきております。特に数年前に、大変な高温であった時に、白未熟粒を始め、粒が中々大きくならなかったということを乗り越えて、昨年などは、生産をしていただいておりますから、しっかりと技術的な面を克服をして、高温に耐えられるような生産方法を追求していくんだというふうに思っておりますので、品種の開発なども含めて、そして、その普及も含めて、農林水産省としても、しっかりと対応させていただきます。結果として、需要に応じた生産を果たしていけるのではないかというふうに考えております。
― 中東情勢について、JA全農が秋肥価格で、春肥と比べて、最大で14.5%の引き上げを発表しましたが、尿素の国際相場の高騰による影響が、今後も懸念される中で、農業経営への影響の緩和に向けての対策を検討されるお考えについて、お願いいたします。
大臣 本年6月以降に販売する秋用肥料の原料につきまして、量としては、国内では、概ね調達の目途は立っております。ただ、価格について、全農が先週公表した肥料製品の卸売価格ですけれども、単体で見ると、輸入尿素で14.5%の値上げとなります。ただ、生産者の皆さん、主に複合肥料を使っておりまして、3成分全部入ったものですね、それだと価格指標となる、この基準銘柄では、前期比で5%の値上げになるというふうに承知をしております。そう考えますと、基準銘柄の今般の上昇幅は、比較的小幅であったというふうに考えられますが、ただ、仮に中東情勢の緊張が長期化をすれば、来年の春用の肥料以降は、予断を許さない状況だというふうに考えております。
私自身、5月1日にマレーシアを訪問して、中東が主要産地である尿素につきまして、主要な製造事業者であるマレーシアの国営企業より、我が国への安定供給の確約は得ているところでありますので、農林水産省として、引き続き、肥料の安定供給に向けて、農業者の皆さんの経営に影響が生じないように、しっかり対応させていただきます。
―本日、大臣を座長とするフードテックワーキンググループが取りまとめの議論を行います。
戦略本部の中でも、フードテックは攻めの分野の一つとして重要視されていますが、改めて日本の農林水産業や経済全般における位置付けや、将来に向けてどのようなことを期待されているのか、また、取りまとめを政策にどう反映していくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣 本日開催いたします、第4回フードテックワーキンググループでは、これまで有識者の方々からいただきました、御意見などを踏まえつつ、植物工場などの官民投資ロードマップ案について、御議論をいただきます。そしてまた、フードテックの推進に向けた基本的な考え方や、施策検討の方向性について、御議論いただく予定としております。
日本の先端技術の粋の詰まりました、フードテックにつきましては、今後、世界的な食料需要の増大や、また、国内においても、気候変動に伴う食料供給リスクが増大をする中で、我が国の食料供給力を強化をするとともに、稼げる農林水産業の創出に向けた新しい柱になることを期待をしております。
今後は、日本成長戦略会議において、官民投資ロードマップ全体の取りまとめが予定をされておりますので、関係府省庁とも連携をし、成長戦略など政府文書への反映を目指してまいります。その上で、このワーキンググループでの議論も踏まえ、令和9年度当初予算として、必要な予算については要求するなど、検討を加速していく考えであります。
DATA
取材・文:アグリジャーナル編集部
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