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農業と女子サッカー!? 越後妻有で奇跡的な融合!

農業とサッカー!? 一見なんの繋がりもないようなこの2つが、奇跡的な融合を見せ始めている。新たな就農スタイルのヒントが、新潟県の越後妻有で行われているユニークで画期的な取り組みの中に見つかるかもしれない。

 

おーい、サッカー女子!
棚田に響く、地元のお父さんたちの声

農業とサッカー。一見、まったく繋がりのない2つの職が、越後妻有で奇跡の融合を見せ始めている。
同地は地域づくりの一環として、「大地の芸術祭」という世界最大級の国際芸術祭を開催していることで有名な地域。アーティストによる作品で里山に人を呼び込むだけでなく、制作過程での協働によって地域に気づきと活力が生まれ、芸術祭の取り組みは新しい広がりを見せている。

日本有数の棚田を持つ越後妻有(新潟県十日町市・津南町)。NPO法人越後妻有里山協働機構では昨年、棚田保全と後継者育成をねらい女子サッカーチームを設立し、農業とスポーツを両立する選手の誘致をはじめた。

そのなかの展開のひとつとして昨年誕生したのが、女子サッカーチーム「FC越後妻有」だ。
現在2名の選手が所属し、農業とサッカーを両立して活動している。
大学で農業を専攻していた大平理恵さんは「農業を学びながらサッカーを続けられる環境を探していた」というから、まさに運命の出会い。一方、ほとんど土に触れたことがなかったという西川美里さんは、「見学でこの地を訪れた際の、地元の人のあたたかさが参加の決め手になった」と話す。

大平さんは仲間との信頼関係が重要なサッカーと、農業との共通点を感じているそう。「仲間がいる大切さ」を語ってくれた。

農作業を教えてくれるのも地元の大先輩たちなら、ごはんやお茶に呼んでくれるのも地元のお父さんやお母さんたち。たくさんの優しさに包まれた1年。と、同時に初体験ばかりの、農業従事1年目。振り返った2人の口から出てきたのは、新米を食べたときの感動と、「美味しいお米をつくるのが私たちのミッション」という力強い言葉。

今年は昨年よりも委託された棚田が増え、さらに多忙を極める予感。そんな中で、ともに選手の誘致活動も積極的に行う予定だ。11人のサッカー女子がコートに、そして棚田に立つ日を、一緒に夢見てくれている人がここにはたくさんいるから――。

2人とも大学卒業と同時に同地に。大平理恵さんは青森県七戸町出身でボランチの選手。西川美里さんは兵庫県神戸市出身でフォワードの選手だ。


text: Makiko Fukuda

※『AGRI JOURNAL』vol.3より転載

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