移住して有機農家レストラン…ある夫婦の夢の叶え方
2017/05/03
2013年に就農し、夫と二人で農家レストランを経営することを夢見てきた高橋さん。夢の実現が目前となる現在、農業をはじめるキッカケや楽しみ方を聞いた。
作った野菜のおいしさを、そのまま届ける
夫婦の夢のレストラン経営
滋賀県の北西に位置する高島市。料理人だったご主人とともに、高橋佳奈さんがこの場所で新規就農を果たしたのは、2013年のこと。
もともと、東京で金融の仕事をしていた高橋さんは、2008年に設立された農業部門に配属。そこで初めて農業に取り組み、面白さに開眼。
独立を考えるようになった時に浮かんだのが、「夫と2人で野菜を作って、それを直接提供できるレストランをやりたい」という夢だったという。
「最初の3年で安定生産できる栽培技術を習得してお客さんを増やし、5年目からレストランをやろう、と。もともと事業計画作成支援の仕事をしていたので、綿密な目標を立てました」。
郷里である滋賀県で「土のいい土地」を探した結果、高島市に移住。計画はほぼ予定通り進み、寒暖差がある土地の特性を活かしながら、カラフルな西洋野菜やサラダ野菜などを中心に年間約200種類を栽培。
主に飲食店に販売し、「多品種入っていて使い勝手がよく、おいしい」と評判を集めている。いよいよ今年の6月には、レストランをオープンさせる予定だ。
見た目にも楽しく、食べておいしい野菜づくりにこだわる。盛りつけた時に美しい、カラフル野菜も多種栽培販売している。
安定生産できる有機の栽培技術はほぼ習得。現在、畑は高橋さん、レストランはご主人がチーフとなり、夫婦での仕事効率を高めている。
「畑の近くで古民家を借りて、今は2人で改修中です。料理のジャンルは特になく、野菜のおいしさを味わっていただけるメニューにしたい。土日のランチ営業からスタートして、ゆくゆくは農業体験ができる場所にもしていけたら」。
最後に、「農業の楽しみは?」と聞くとこんな答えが返ってきた。
「取れる戦略が非常に多いこと。よく一括りにされることが多いですが、やり方は千差万別。自分のやりたい形を実現できる、とても可能性のある職業だと思います」。
※『AGRI JOURNAL』vol.3より転載。