“ロボットトラクタ”実用化で、農作業が楽になる?
2016/10/24
第7回 ロボット大賞で、ヤンマー株式会社の「ロボットトラクタの研究開発」が ロボット大賞(農林水産大臣賞)を受賞、井関農機株式会社の「土壌センサー搭載型 可変施肥田植機」が優秀賞を受賞した。
<上の写真は、第7回 ロボット大賞(農林水産大臣賞)を受賞した、ヤンマーが開発をすすめる「ロボットトラクタ」。>
10月19日、ジャパンロボットウィーク会場にて、第7回ロボット大賞の表彰式・合同展示が行われた。ロボット大賞とは、日本のロボット技術の発展やロボット活用の拡大等を促すため、特に優れたロボットや部品・ソフトウェア、それらの先進的な活用などを表彰する制度だ。
今年新設された農林水産大臣賞を受賞したのが、ヤンマーの「ロボットトラクタの研究開発」。トラクタをロボット化することで、2台のトラクタを1人でコントロールすることが可能に。これにより、今までより少ない人数で、より多くの農作業が行えるようになる。
この研究開発が評価された点は、ロボットトラクタの完全無人化・複数台無人運転を見据えてシステム構築が行われているという先進性にある。ロボットトラクタの操作はタブレットで簡単に行うことができ、またタブレットに表示されたロボットトラクタの前後の映像を確認することで、安全を確保できる。
気になる発売時期は、2018年予定とのこと。ヤンマーでは実用化に向けて、引き続き開発が行われていく。
<第7回 ロボット大賞(農林水産大臣賞)を受賞したヤンマーの「ロボットトラクタ」。ジャパンロボットウィーク展示ブースにて撮影>
また、今回のロボット大賞では、井関農機株式会社の「土壌センサー搭載型 可変施肥田植機」も優秀賞を受賞している。この田植機は、超音波で作土深を測定し、電気抵抗で肥沃度を測定することにより、最適な施肥量を自動制御することができる。また、GPSを搭載しているので、測定した土壌の状態や施肥結果のデータを保存し、後年の栽培管理の改善につなげることができる。
水稲栽培では低コスト化のための大規模化に伴い、肥沃度と作土深にムラが生じ、品質の低下、収穫作業効率の低下等の問題があった。今回、そのような課題を技術によって解決できるという点が高く評価された。
<優秀賞を受賞した井関農機の「土壌センサー搭載型 可変施肥田植機」。ジャパンロボットウィーク展示ブースにて撮影>
ロボット・ICT化により、農作業を熟知していない新規就農者でも、農作業に関するデータ管理や農業機器の操作ができるようになった。今後さらに、ロボット・ICT化は農業のスタンダードとなっていくだろう。