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日本の農業の未来を創出! 低コスト鉄骨ハウスで多収量栽培を実現

完成間近のキュウリの大規模栽培施設『ゆめファーム全農SAGA』に潜入!そこで採用されていたのが、軽量鉄骨ハウス『G-Castle鉄骨ハウスProII』だ。足場をはじめとする仮設機材で知られるタカミヤが農業分野に参入して5年、着々と実績を積み重ねてきたタカミヤの技術が今、大きく花開こうとしていた。

低価格・高耐候・短納期が
可能にしたチャレンジ

タカミヤが新規事業として農業に参入したのは2014年のこと。2016年に発表した軽量鉄骨ハウス『G-Castle(ジーキャッスル)』は、充分な耐候性を持ちながら市価よりも低価格、そのうえ短納期であると話題を呼んだ。以降、全国各地で様々な規模の施設を建設。実績を積み重ねてきた。

そんなタカミヤが、佐賀市でキュウリの大規模栽培を行うJA全農のプロジェクト『ゆめファーム全農SAGA』の建設を受注し、今年11月末の完成を目指して施工を行っている。

『ゆめファーム全農SAGA』はJA全農による多収技術と経営の営農実証プロジェクトのひとつで、佐賀市においてキュウリの大規模栽培を行う施設。目標の年間収量は、ハウス内の土耕区で45トン、水耕区で50トンだ。これはキュウリの年間収量が30トンでも良好といわれるなかで圧倒的な収量となる。

土耕栽培と養液栽培の2方式を採用して収量比較などを行い、そのノウハウを全国のキュウリ生産者にフィードバックするのが狙いだ。キュウリの多収量栽培における国内初の環境配慮型施設でもある。そこで採用されているハウスについて、施工担当の江口さんに伺った。

お話を聞いたタカミヤの増永所長(久留米支店)。長らく農業資材メーカーに勤務した経験があり、ハウスのフィルムに関する知識・経験・人脈は業界随一。タカミヤ久留米営業所の立ち上げと同時にタカミヤに転職。以来、現在のポストでタカミヤを引っ張る現場のリーダーだ。

江口さん:「当社は本施設の建設にあたり、資材供給、設計、建設から内部の環境制御設計まで、すべてにおいてワンストップで受注しました。

施設面積は約1ha、土耕区が47a、養液区が47a、残りは選果室や機械室です。ハウスの軒高は5.0m。部材は鉄骨製で、間口1つに対して屋根が2つあるオランダ生まれの構造『ダッチライト型』を採用しています。屋根面積が広くなるため、換気効率と採光性が高く、大規模栽培に最適な構造です。輸入した製品を取り付けるだけでなく、屋根を支える垂木を細くすることで更に採光性を高め、地震や台風が多い日本仕様に合わせて部材を加工し高耐候のハウスを実現しました。」

ダッチライト型とは施設園芸先進地域であるヨーロッパで生まれた多連棟温室のこと。間口に対して屋根が二つある。屋根面積が広くなるから換気効率が高く、採光性にも優れている。

同施設は、隣接する佐賀市の清掃工場から排熱蒸気とCO2の供給を受ける環境配慮型施設であることも特徴の一つだ。

江口さん:「排熱蒸気は暖房に、CO2はハウス内の配管を通じて植物に施用。水は敷地内から出る井戸水を使用します。暖房、CO2、潅水、天窓、カーテンを環境に合わせて最適に制御します。今まで日本になかった先進的な施設になります。」

写真右奥に見える佐賀市の清掃工場から、排熱蒸気とCO2をパイプで引き込み活用する。

次世代の農業のための
新規挑戦者としての役割

ところで何故、これ程に大規模かつ先進的な施設の設計から納入までを、農業に参入して数年のタカミヤが受注できたのだろうか?

環境営業部アグリ事業課の増永所長が答えてくれた。

増永さん:「JA全農様からは、価格における優位性とあわせて、施設園芸への新規挑戦者としての積極性を評価いただいたと伺っています。『ゆめファーム全農SAGA』は国内初事例となる最新設備の供給など、日本の農業の未来を創出するプロジェクトです。

施設で使われる資材と環境制御機器は、施設園芸先進国であるオランダのノウハウを積極的に取り入れつつ、当社の持つ金属加工技術と施工力を最大限に活用して、日本の気候条件に合わせた仕様にしています。最先端の技術を取り入れ、タカミヤが企業グループの力を集結した集大成が『ゆめファーム全農SAGA』です。

今後も農業支援の為にハウスの建設だけでなく、様々な施設園芸モデル・サービスを提供していくことで生産者様の幸せに貢献したい、それがタカミヤの願いです。今後も農業分野でこれまでになかった製品や周辺サービスを提供し、農業の抱える様々な問題の低減に努めていきたいです。」

キュウリの大規模栽培施設『ゆめファーム全農SAGA』には、タカミヤの技術力だけでなく、大きな夢が込められている。

タカミヤの技術が詰まった人気商品
G-Castle(ジーキャッスル)シリーズ

●G-Castle 鉄骨ハウスProⅡ(連棟型耐候性ハウス)

強さと広さを兼ね備えた、2つ屋根の高軒高グリーンハウス。間口8m、奥行4m単位での連棟が可能で、大規模栽培に最適。トマトやパプリカなどハイワイヤー方式の作物にオススメ。両面天窓を採用しており換気効率が高く、環境制御システムの導入に適している。耐風速50m/s、耐積雪50kg/㎡

●G-Castle 鉄骨アーチ型ハウス

汎用性が高い耐候性グリーンハウス。栽培空間を有効に確保できるため、イチゴの高設栽培やトマトの土耕栽培に最適。間口6m、奥行2.5m単位での連棟が可能。耐風速50m/s

●G-Castle 耐候性パイプハウス

日本施設園芸協会の耐候性ハウス基準を満たしたパイプハウス。
[強風タイプ]耐風速50m/s、耐積雪30kg/㎡[積雪タイプ]耐風速40m/s、耐積雪50kg/㎡

問い合わせ

株式会社タカミヤ環境営業部
TEL:03-3276-3928[受付時間:月~金 9:00~17:30(祝休日除く)]


AGRI JOURNAL vol.13(2019年秋号)より転載

Sponsored by 株式会社タカミヤ

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