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農業の未来を変える!? ロボット草刈機の実力を徹底検証

ホンダのロボット草刈機『グラスミーモ』は全自動で草刈をしてくれる優れモノらしい……そこで前回は『グラスミーモ』の実力を読者モニターに語っていただいたが、今回は客観的データを用いて検証してみよう。

▶︎読者モニターによる体験編の記事はコチラ!

<目次>
1. 草刈作業の3つの問題点
 ● 草刈作業の3つの問題点① 作業時間
 ● 草刈作業の3つの問題点② 危険性
 ● 草刈作業の3つの問題点③ 騒音
2. 【検証】ロボット草刈機グラスミーモは問題を解決できるのか?
3. 【結果】グラスミーモは農業界の救世主になれる実力を持っている! 

 

ロボット草刈機
「グラスミーモ」とは?

まずはじめにグラスミーモについて説明しよう。ホンダから今夏発売を予定しているロボット草刈機『グラスミーモ』。その機能を例えるなら「ロボット掃除機の草刈機版」と言えば伝わりやすいだろう。

草刈をする区画にワイヤーを張って、充電ステーションを設置。圃場に『グラスミーモ』を置いてスタートさせれば、後は全て自動で決められた範囲の草を刈り、必要なタイミングで充電ステーションに戻り自分で充電してくれる。

草丈(20~60mmの範囲)や稼働時間などは設定可能だが、スマート農機にありがちな難しい設定が必要ないのも魅力のひとつだ。

農家を悩ませる
草刈作業の3つの問題点

草刈に頭を悩ませている農業生産者は少なくないはずだ。何と言っても、作業そのものが過酷だ。直接生産に関わらない、つまり「収益につながらない作業」に延々と時間を費やすことになる。

草刈を行う必要性が高いのは暑い時期だから、当然身体にもキツイし、熱中症の恐れもある。一般的に草刈作業には機械を使うため危険を伴うとも言えるだろう。

また、都市型農業者は別の問題を抱えている。農地と住宅地が近接している都市型農業者は、草刈により発生する騒音や土埃が原因で近隣住民とトラブルにならぬよう、配慮を求められる。早朝からの草刈など、もってのほか。土埃が立たぬよう、雨後にのみ草刈作業を行う農業生産者も多い。こうしたこともあり、多くの農業生産者が「できることなら草刈なんてしたくない……」と思っているはずだ。

①草刈作業には、こんなに時間が掛かっていた

さて、農業生産者は一体どれくらいの時間を草刈作業に掛けているのだろうか? 農水省が設置した『農業の「働き方改革」検討会』が平成30年3月に発表したデータを紹介しよう。
 

出典:農林水産省「営農類型別経営統計」(作業別部門労働時間は平成24年調査、その他:黄色は平成27年調査)

 
同検討会が公表した資料の「主要果樹における10a当たりの作業別部門労働時間」によると、なんと防除を含めた除草作業は全作業時間の約1割に相当していることが分かる。

もしも草刈作業をなくすことができれば、身体的負担から解放されるだけでなく、空いた時間をより生産的な作業に使うことができる。収益につながる栽培管理や経理はもちろんだが、プライベートの時間を増やしても良い。草刈作業を無くすことができれば、作業時間が1割減る。これは大きい!

②刈払機による草刈作業には危険性がともなう

草刈作業は、一般的には刈払機で行うはずだ。ご存知の通り、刈払機は大変便利な機械であり、正しい使用方法に従っていれば安全に作業できるのだが、現実には、少なからぬ危険が潜んでいる。消費者庁が昨年6月に発表したデータを見てみよう。

医療機関ネットワーク(消費者庁と独立行政法人国民生活センターとの共同事業)を通じて収集した刈払機による事故情報・65件分の事故原因内訳

「刈払機を使用中の事故情報が平成27年4月から令和2年3月末までの5年間に計88件寄せられている。刈刃への接触や巻き込まれによる事故が半数以上を占めており、手指の切断などの重大な事故が発生している」と記載されている。

報告されない事故もあるだろうから、より多くの事故が発生していると思われる。また、刈払い作業中に、石や枝などの異物に接触して作業者に跳ね返るといった危険性も存在する。刈払機を否定するものではないが、使用方法を誤ると重大な事故に繋がってしまうのは、事実である。

③草刈作業が発生する騒音がトラブルの原因になる

冒頭で記したように、この刈払機が発生させる騒音が、特に住宅地に隣接した都市型農業者を悩ませている。早朝から草刈作業ができないばかりでなく、「苦情が来ないだろうか……」と心配しながら作業することになり、それが精神的なストレスとなっているのだ。

エンジン式刈払機の振動・騒音等測定値/エンジン式刈払機のみ抜粋

林業機械化協会が発表した「チェンソー・刈払機の振動・騒音等測定値」を見てみよう。それによると、刈払機の騒音値は90dB(A)前後である。この90dBというのは、一般的に「きわめてうるさい・我慢できない」に分類される。

農業生産者の立場に立てば「仕事なのだから仕方ないじゃないか!」と言いたくなるところだが、刈払機の騒音レベルが「きわめてうるさい・我慢できない」に分類されているとなると、そうも言っていられない。同時に、高い騒音レベルにさらされ続けることは、作業者自身の聴力低下など大きな危険を伴うことも忘れてはならない問題だ。

【検証】ロボット草刈機グラスミーモは問題を解決できるのか?

数値にも表れているほど、農家を悩ませるこの3つの大きな問題点。そんな問題を『グラスミーモ』を使用して解決に近づけることができるのか? 体験編の記事に引き続き、キウイ農家である吉野さんにモニター体験をしてもらいながら『グラスミーモ』の実力を検証してみた。

全自動だから、草刈作業の時間を大幅削減できる

ここで『グラスミーモ』の特徴を思い出してみよう。草刈をする区画をワイヤーで囲って、充電ステーションを設置。圃場に『グラスミーモ』を置いてスタートさせれば、後は全て自動で決められた範囲の草を刈り、必要なタイミングで充電ステーションに行き自分で充電してくれる

「朝6時から夜8時まで、一日14時間も働くように設定しておきました。コレ人間だったら絶対無理ですよね(笑)『グラスミーモ』は文句も言わず黙々と働いてくれました

使ってみて、『グラスミーモ』があれば草刈作業から解放される、ということを体感できました。さすがに台風の日はしまいましたが、多少の雨の日でも、また酷暑のなかでも、淡々と働いてくれました。健気で可愛いなと感じるほどでしたよ」(吉野さん)

『グラスミーモ』を利用することで、農業生産者は草刈作業から解放される。これまで草刈を行っていた時間に、他の作業ができる。

熱中症の心配も無用だ。また面倒な準備や作業後の片付けも不要になる。草刈作業にともなう問題点のひとつである作業時間は、『グラスミーモ』が解決してくれる。

刈刃が小型だから事故の心配が少なく安心

冒頭に記したように、『グラスミーモ』はロボット掃除機の草刈機版と呼べる製品だ。草刈を行う刃は、『グラスミーモ』本体の下に隠れるように配置されている。そのため本体をひっくり返して触らない限り、刈刃への接触や巻き込まれによる事故は発生しないだろう。

「実は『コレで草が刈れるのかな?』と思うほど刃が小さいのも『グラスミーモ』の特徴かも知れませんね。刈払機と違って『グラスミーモ』の刃は本体の下にありますから、草刈作業中に近づいても、気になりませんでしたよ」(吉野さん)

『グラスミーモ』の刈刃は小型で欠損しにくいバネ鋼フリー刃を採用。小石などの障害物に接触しても衝撃を逃がすことで石飛の危険を軽減してくれる。そのため、事故の心配が少なく、安心感がある、と言えよう。

▶ 欠損しにくく石飛を軽減する『バネ鋼フリー刃』
小石などの障害物に接触した場合でも、衝撃を逃がすように360°回転するフリー刃。刃には荷重がかかった場合も欠損しにくいバネ鋼を採用。作業中の石飛を軽減する安心設計。

カッター程度の刃渡りの草刈刃。本体下に収納されているので、ぶつかっても怪我の危険性は低い。

電動だから騒音問題からも解放される

『グラスミーモ』は電動だから騒音が極めて低いレベルに抑えられている。エンジン式刈払機が発する騒音の多くはエンジンが原因である。騒音の発信源となるエンジンがないから、『グラスミーモ』は圧倒的に静かなのだ。

「住宅近接地にあるウチの農地でも、朝から晩まで常に稼働させても、まったく気になりませんでした」(吉野さん)。これは特に都市型農業者にとって朗報ではないだろうか。

普段の草刈はエンジン式を使用していたため作業の時間帯には気を遣っていました。(吉野さん)

 

 

【結果】グラスミーモは農業界の救世主になれる実力を持っている!

草刈作業にともなう課題は『グラスミーモ』を使用すれば解決できることが分かった。しかし『グラスミーモ』が解決できる課題は、実はそれだけではない。草刈作業という重労働から農業従事者を解放することで、『グラスミーモ』は農業をスマートにする。それこそが『グラスミーモ』が担う本質的な役割ではないだろうか?

「農業に興味はあるが、過酷な作業を思うと最初の一歩を踏み出せない……」という若者は少なくない。また、せっかく就農したのに過酷な作業に耐えられず辞めてしまう、という例は数多い。

『グラスミーモ』ひとつであらゆる問題を解決できるわけではないが、『グラスミーモ』のような先進機器やIT技術を利用して効率化することで、農業をよりスマートにできる。『グラスミーモ』は農業を変える救世主のひとつになるのではないか……そんな期待を抱かせてくれる。
 

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お問い合わせ

Hondaお客様相談センター

TEL:0120-112010(平日:9時~12時/13時~16時・土日祝日:9時~12時/13時~17時)


文:川島礼二郎
写真:松尾夏樹

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