全ての農機で直進アシスト可能に! 取付式で手頃な「スマート操舵システム」が話題
2021/04/21
ロボット農機元年といわれた2018年以降、国内主要メーカーから直進アシストや自動運転といった機能を搭載した農機が続々とリリースされて出揃った。そして今、低価格化が進むことで、一気に普及段階に入っている。
リーズナブルながらも
高精度直進アシストを実現!
自動運転や直進アシストのメリットは、大きく二つある。
まず、農業機械の運転に慣れていない作業者が操作しても正確に作業ができること。だから人手不足が深刻な現在、ロボット農機が注目されている。
もう一つは熟練作業者にとってのメリット。作業に気を遣わなくても正確な作業ができるから、身体的・精神的な負担が減るのだ。こちらは労働環境改善に繋がり、ひいては人材確保にも有利に働くはずだ。
そのように日本農業の救世主になる可能性を秘めた自動運転・直進アシスト搭載機だが、残念ながらメーカー系製品の多くは高価であったり、あるいは自社製本機への後付けが前提であったりと、農業生産者が既に所有している農機に後付けするには少々ハードルが高いのも事実だった。
そんな今、発売から半年で、全世界で約2万台を販売し、爆発的な人気商品となっているのが、JPPが代理店として販売している『スマート操舵システム』だ。JPP担当者に話を聞いた。
「既に所有している農機の種類やメーカーを問わず、後付けで直進アシストしてくれるのが『スマート操舵システム』です。製造元の企業FJ Dynamicsは一般的には知られていませんが、実は中国の自動車メーカーと自動運転の共同研究開発を行うほどの技術力を誇っており、業界最高水準の精度±2.5cmを達成しているんですよ。
専用高性能回路を搭載しており、GNSS測位に加えて、ネットワークRTK、RTK固定局(別売)により、一般的なGPS方式では不可能な高精度な作業が可能です。実演会で作業をご覧いただくと、ほぼ全ての農家さんから『コレは完璧だ!』と驚きの声が上がるほどです。また、農家さんが気になるのが走行速度だと思いますが、『スマート操舵システム』は最低で0.7km/hで走行できます」。
農機本体のメーカーを問わず後付けでき、高精度な作業が可能な『スマート操舵システム』だが、大人気商品になっている最大の理由はその価格にある。直進アシストに必要なセット一式が100万円程度で導入が可能なのである。
これは類似商品の半額に近い価格ではないだろうか。さらに、低速走行や後進作業に対応したように、将来的にはアップデートを行い利便性をさらに高めていくという。
『スマート操舵システム』
のポイント
POINT 1
発売から半年、全世界で約2万台の導入実績!
2020年7月に発売を開始したところ、全世界で約2万台があっという間に完売した大人気商品の『スマート操舵システム』。メーカーを問わず後付けできる直進アシスト装置だ。±2.5cmという高精度な作業が自慢だが、0.7km/hという低速での作業や後進作業も可能。そしてユーザーの声を速やかに反映させるための定期的なプログラムのアップデートなど、メーカーの姿勢が評価され、人気が口コミで広がっている。
奥に見えるタッチパネル式コントローラーで各種設定や記録・表示を行う。電動ステアリングハンドルが自動で操舵し直進をアシストしてくれる。
POINT 2
あらゆる農機に取り付けられる!
クボタ、ニューホランド、井関農機、ヤンマーなどメーカーを問わず取り付けることができる。
本システムの大きな魅力は、搭載できる農機本体のメーカーや年式を問わないこと。また、田植機用システムもあるため、手持ちの農機のスマート化を考えている人にとって、最も障壁が低い選択が本製品であろう。
約50年前のモデル。このようなキャビン無しの農機にも対応可能。
Check!
システム基本データ
あらゆる機種の農機に後付け可能
FJ Dynamicsは独立のロボティクス企業なので、特定メーカー製農機だけでなく、あらゆるメーカー製品に対応できる。だから今ある農機に誰でも搭載できる。
最低車速は0.7km/h
農業生産者の声を速やかに反映させて実装したのが、最低で0.7km/hという低車速走行。車速が上がると丁寧な作業が難しいが、これなら高精度での作業が可能になると好評だ。
後進作業も可能
農業生産者の声を反映させたもう一つの例が、この後進作業。農作業においては、どうしても後進作業を行いたい場合がある。それに即対応してFJ Dynamicsが実装した。
業界最高水準の高精度作業を実現
GNSS測位の誤差を補正する方式は、ネットワークRTK(Ntrip方式)か、固定局RTK(別売り)の2パターン。これにより±2.5cmという業界最高水準の高精度での作業を実現する。
防水・防塵だから安心
コントローラー(専用カバー使用時)、ステアリングモーター、GNSSアンテナはIP67規格。『スマート操縦システム』全体が高い防水・防塵を誇るので、天気が急変しても心配無用だ。
必要なのは4点だけ!
●コントローラー(タッチパネル)
機材の設定、作業経路の設定や作業履歴の記録と表示、計算処理を行うコントローラーは、誰でも簡単に使えるタッチパネル式を採用している。
●RTK-GNSSアンテナ
衛星からの電波と、基地局やネットワークからの補正情報を受信する装置です。RTK基地局は必要に応じて利用できる(別売り)。
●電動ステアリングハンドル
この電動ステアリングハンドルが、制御ユニットから得た情報に基づき、自動でハンドル操作を行ってくれる。手動操作への切り替えも可能だ。
●慣性計測装置(IMU)
IMUが高精度な慣性情報を提供するため、傾斜地でも精度を保ち作業できる。衛星電波が弱い時は補償データを提供して、作業を継続できるようにする。
問い合わせ
JPP
TEL:048-299-8182
文:川島礼二郎
AGRI JOURNAL vol.19(2021年春号)より転載
Sponsored by 株式会社JPP