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いま注目の「植物育成用LED」の人気の秘密とは? 導入農家の声を聞く

昨年より販売を開始した、ジャパンマグネットの農業用育成用LEDライト。高性能と低価格を両立し、早くも注文が殺到しているという。実際に導入している農家は、どのような効果を感じているのだろうか。

続々と導入が進む!
今注目のLEDライトの秘密に迫る

大手食品産業企業に数十万本もの導入実績を誇る『ジャパンマグネット』(以下、JMI)の育成用LEDライトが今、一般的な農業生産者にも広がり始めている。その理由を代表の藤原さんはこう説明する。

「単純明快です。JMIのLEDライトは“高性能と低価格を両立している”からです。性能を左右する開発は日本国内で、生産は40年近い長年の主業である(HV車やスマートフォンなどに使われる)工業用マグネットで開拓した技術力、生産能力の高い海外工場で行います。だから高性能な製品を市場の半値近い価格で販売できるんです」。

有限会社ジャパンマグネット

代表取締役 藤原正人さん

JMIが農業用LEDライトの一般への販売を開始したのは昨年のことだが、早くも注文が殺到しているという。全国各地のユーザーの声を聞いてみよう。

ジャパンマグネットの植物育成用LED

防病UV-B LED(防水仕様)

※特許出願中

LEDのUV-B波長により、育苗時に葉や茎に発生することがあるコブ病・うどんこ病の予防のほか、防虫効果、紫外線不足による野菜・花の育成不良や色付不良の改善が期待できる


太陽光波長育成用LED(防水仕様)

ジャパンマグネットが独自開発したLED素子により、従来の青赤の波長を太陽光に近い白色(色温度4000K/演色性Ra95)で再現した。それが個人農家で買い求めやすい価格=従来品の半値という低価格


育苗用波長LED(防水仕様)

JMIが独自開発したLED。育苗時の苗の徒長を抑え、元気で均一な苗の育成を促進させ、育苗期間も短縮してくれる。ブランドスイカ・ブランドメロンの育苗で高評価で、北海道ではヒット商品だ。

防虫LEDも大好評!


有限会社ジャパンマグネット アグリ事業部 細川光夫さん

施設園芸の圃場内に侵入し病気や生理障害の原因となる虫の侵入や活動を抑制する防虫LED。アザミウマと呼ばれるスリップス類、夜蛾、ヨトウムシなどそれぞれに効果のある赤、緑、黄色の3色6機種を早くもラインナップ。天井から吊り下げる円錐型360°照射タイプAGRI BALL30(写真上)と、地面に置いても使える三角柱タイプAGRIGARD 30(写真下)がある。もちろん価格もリーズナブルだ。30W防水仕様100V-200V兼用。

 

 

Report01
種苗会社と共同開発!
防病に効果を発揮

中玉トマトやミニトマトにオリジナル品種を持つ福井シードでは、クリーンルーム内で栽培した『ウイルスフリー苗』を販売しており、その育苗用にJMIのLEDを使っている。

「人工光を使った閉鎖型育苗施設のトマト育苗で問題になるのが苗の生理障害が起因となる“こぶ病”です。対策として様々な管理条件を試していますが、決定打には至りませんでした。原因の1つと疑っていたのは本来は太陽光に含まれる紫外線。その中でも紫外線B波=UV-Bです。そこでJMIの『防病UV-B LED』を自社仕様に共同開発するために試験導入しました」と、井村さんは教えてくれた。


UV-B LED×太陽光LED(防水仕様) ※特許出願中

「防病UV-B LED」と「太陽光波長育成用LED」をハイブリッドし、波長や比率など異なる5つの仕様を試作して、福井シードで苗を育てたところ、その中の1つでは見事にこぶ症の発生を抑えることに成功したという。現在市場にある防病ライトは蛍光灯であり、量産型の防病UV-BLEDはJMI製品だけ。今後の共同開発の行方に期待が高まる。

福井シード株式会社

代表取締役社長 井村裕治さん


福井県福井市 作物:トマト・葉物・根菜など 導入製品:防病UV-B LED

 

Report02
価格で即決! 効果も絶大!

新規就農したばかりという梅原さんは太陽光波長育成用LEDを導入した。「栽培棟の面積は27aなのですが、その一部(12m×10mほど)が管理棟の日陰になる時間が長いため生育が悪くて、困っていました。それを補うために育成用LEDライトの導入を検討しました。

最初は有名メーカー製品の導入を考えたのですが、残念ながら価格的に折り合いませんでした。粘り強く探したところ見つけたのがJMI製品。有名メーカー製品の半額程度でしたので即決しました(笑)」。今では育成用LEDのお陰で日陰になりやすい場所でも生育の遅れがなくなった、とのこと。梅原さんは「安いだけでなく、効果も絶大でした!」と大満足の様子だ。

おーりの農園

梅原亮人(あきと)さん


静岡県伊豆の国市 作物:イチゴ 導入製品:太陽光波長育成用LED

 

Report03
大規模農業法人でも試験導入

日本有数の食品メーカーに向けて高品質なトマトとミニトマトを出荷している大規模農業生産法人であるA社。

「この地域では12月に日照が少なくなり、場所により生育が遅れることがありました。対策を講じようとしたところで、同じ長野県のJMIさんが育成用LEDライトを販売していると知り、試験的に導入しました。まだ稼働したばかりなので顕著な効果は出ていませんが、トップライト+インターライティング(群落内に入れるライト)にすると葉の緑が濃くなり始めています。試験結果をフィードバックして、正式導入できる可能性が高まればと思います」と期待を寄せていた。


A社 長野県安曇野市 作物:トマト・ミニトマト 導入製品:太陽光波長育成用LED

 


広範囲を照射できる投光器型育成LED「JCT-AG200RB-L」(防水仕様)もテスト中。1台で広範囲を強力に照射できるので、九州地方ではマンゴーやアボカド農家もテスト導入している。

 

Report04
導入1週間で効果を実感

標高600mの赤城山の麓で「祝い花」といわれる結婚式などの式典に使う切りバラを栽培する赤城M’sローズは、2021 年11月に太陽光波長育成LEDを導入。「天候不順による日照不足を補うために試験導入したところ、導入1週間後には茎がしっかりとしてきたので驚きました」と代表取締役の三宅博和さん。

湿気を好むバラはミスト噴射のほか、こまめな消毒が不可欠。「こちらは完全防水性なので安心。従来よりもコンパクトで、いろいろな使い方ができるのも魅力。いま、日光が届きにくい根元にLEDを置き、下から光を当てて新芽を増やす実験中です」と教えてくれた。

赤城M’sローズ

(左)代表取締役の三宅博和さん(右)代表取締役社長の樋口修一さん


群馬県前橋市 作物:バラ 導入製品:太陽光波長育成用LED

 

 

問い合わせ

有限会社ジャパンマグネット
TEL:0266-57-1523
メールアドレス:agri@japanmagnets.com

JMIでは共同開発・研究を行う大学・企業・農家を募集中!


文:川島礼二郎、後藤あや子
写真:都築大輔

AGRI JOURNAL vol.22(2022年冬号)より転載

Sponsored by 有限会社ジャパンマグネット

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