生産者の取組み

日本が世界に誇る伝統の農業! 世界農業遺産とは?

世界農業遺産をご存知だろうか? 世界において重要であり、伝統的な農林水産業を営む地域を認定するこの制度で、日本は9つの地域が認定を受けている。今回は、劣悪な環境の中で工夫を凝らして梅の生産を行う、和歌山県のみなべ町を紹介する。

日本も数多く認定されている
世界農業遺産とは?

世界農業遺産とは、世界において重要であり、伝統的な農林水産業を営む地域やその地域特有の農林水産業システムを認定する制度だ。2002年に開始されてから現在まで、19ヵ国の45地域が認定されており、その中でも日本は9つの地域が、この世界農業遺産に認定されている。

世界農業遺産として認定されるためには、農林水産省の承認を得た後に、国連食糧農業機関(FAO)が定めた以下の5つの基準をクリアしなければならない。

①食料及び生計の保障
②農業生物多様性
③地域の伝統的な知識システム
④文化、価値観及び社会組織
⑤ランドスケープ及びシースケープ

この5つの基準で評価され、認定されるという流れだ。

一石二鳥のシステム
和歌山県の歴史ある梅

世界農業遺産に認定された地域は、新潟県佐渡市、石川県能登半島、静岡県掛川周辺地域、熊本県阿蘇市、大分県国東半島・宇佐、岐阜県の清流長良川、和歌山県みなべ町、宮崎県高千穂郷・椎葉山、宮城県大崎地域の9つの地域だ。
今回は、和歌山県のみなべ町の事例を紹介する。

みなべ・田辺の梅システム

和歌山県みなべ町は、養分に乏しく崩れやすい斜面の土地で、400年以上にも渡って高品質な梅を栽培し続けている。農業を行うには良いとは言えない環境で梅を生産するために、独自のシステムを生み出したのだ。

みなべ町特有の斜面の多い農地では、良質な木炭として知られる備長炭の原料・薪炭林が生息している。この薪炭林を残すことで、農地の土砂崩れや洪水などを防いでいる。さらに、薪炭林には二ホンミツバチが生息しており、自家受粉できない品種の梅の受粉を手伝っているという、一石二鳥の農業システムだ。


ありのままの土地を生かし、生物と自然との共存によって生産される梅は、世界に誇る日本の伝統的な農法と言える。

日本の伝統的な農業システムは世界的に見ても評価が高く、誇れるものである。
現在は、静岡県わさび栽培地域の静岡水わさびの伝統栽培(発祥の地が伝える人とわさびの歴史)、さらに、徳島県にし阿波地域のにし阿波の傾斜地農耕システムが世界農業遺産の認定申請を出している。

世界農業遺産があることによって、日本の伝統を広め、知ってもらう良い機会になっていくのではないだろうか。

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