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府内農業の認知度向上を! 大阪府4Hクラブ会長が語る、意識的に農法をアップデートする必要性

大阪府羽曳野市で農園を営む藤井貫司さんは、昨冬開催された経営強化プランのコンテストで、グランプリを受賞。また、同年3月には「大阪府4Hクラブ」の会長に就任した。まさに“若手農家のホープ”である藤井さんに、農業がもつ可能性などを語っていただいた。

メイン画像:「大阪府4Hクラブ」の会長・藤井貫司さん

ポット栽培で、
イチジクの冬場の収穫を可能に

イチジクやトマトを生産する「藤井農園」を、ご両親や妻とともに営む藤井さん。神戸市内にある大学を卒業後、およそ8年間のサラリーマン生活を経て就農した、いわゆる“Uターン就農者”だ。自身の経歴を振り返りながら、就農した理由をこう話す。

「実家で農業を営んでいるものの、継ぐつもりがなかったので、大学卒業後は一般企業に就職しました。でもやがて、農業に大きなビジネスチャンスを感じるようになったのが、就農した理由です。ネット通販の台頭により、ネットでの青果販売が盛んに行われるようになったため、“工夫すれば、いいビジネスができる”と思ったんです」。

「藤井農園」のハウス内部の様子

藤井さんの手腕は冴えており、農園が大きく成長する兆しが見えている。それを象徴するのが、経営強化プランのコンテスト「第3回おおさかNo-1(のうワン)グランプリ」での受賞だ。2019年より藤井さんは、イチジクの木の枝をポット栽培する方法を導入している。これが、木の植え替えに伴う経営上のリスクや労力を削減する方法と認められ、受賞にいたったようだ。

「露地にイチジクの木を植えてから、販売できるクオリティの実がなるまでに、2〜3年かかります。そのため、一定以上の売り上げを得るうえで、木の植え替えは、大きなリスクになり得るんです。しかし、木の枝をポットに仕込み、栽培しておくことで、大幅な植え替え作業が不要になります」と、藤井さん。

また、ハウスでのポット栽培により、通常は不可能な冬場の収穫も可能になるという。「周年でイチジクを収穫し、販売できるようになれば、自ずと収益がアップします。また、冬場を中心に、イチジクの単価を上げることもできます」。



意識的に農法を
アップデートする必要性

ポット栽培を導入するにあたり、千葉大学の研究室で見学させてもらったという藤井さん。そうしたエピソードから、農業に対する意欲と熱意が感じられるが、「意識的に農法をアップデートしないと、大阪では満足のいく経営ができないので」と謙遜する。聞けば、大阪府の露地面積は小さいため、生産量においてはどうしても他所に負けてしまうのだとか。

「大量生産ができないので、代わりに生産物の単価を上げる必要があります。地域の農家には、独自の工夫をとおし、生産物に付加価値をつけることに成功した人が複数いますよ。また、消費者に直売したり、飲食店と直接契約を結んだりと、自ら販路を開拓する人も多くいます」。

農家たちのこうした努力が実り、今や大阪府内で生産された青果は、全国トップクラスの価格で取り引きされているそう。しかし、府内でも農業が盛んに営まれていることは、あまり知られていないのが現状のようだ。「他県の人と話していると、『大阪でも商的な農業ができるんですね』と言われることがたびたびあります」と、藤井さん。

「軽トラ夕市」の様子

この知名度の低さを少しでも改善しようと、「大阪府4Hクラブ」では年に2回、「軽トラ夕市」なるイベントを開催している。「JA大阪センタービル」前のスペースに軽トラを設置し、メンバーが持ち寄った生産物を直売するイベントだ。オフィス街で夕方から販売をスタートするため、大勢の人が会社帰りに立ち寄るという。

大阪にもアツい若手農家がいること、質のいい農産物がたくさんあることを、より多くの人に伝えるのが、現在の藤井さんの目標。今後、「大阪府4Hクラブ」と府内の農産物がどう進化するか、注目してほしい。

PROFILE

藤井貫司さん

1980年大阪府生まれ。神戸大学を卒業後、医療法人と貿易商社にて勤務。
2012年に実家の農園「藤井農園」にて就農し、その後、同農園の代表に。2019年3月に「大阪府4Hクラブ」の会長に就任。

DATA

4Hクラブ(農業青年クラブ)


Text:Yoshiko Ogata



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