生産者の取組み

HPの充実化からイメージアップ、人材確保へ! 欧州から見るITのプロモーション活用

ホームページは今や生活に欠かせないツールだ。少しの工夫でイメージアップ戦略や経営の透明性向上に繋がり、さらには人材確保にも一役買っているという。欧州農業共同組合の現状から農業のIT化について考える、中央大学教授の杉浦宣彦氏による連載コラム。

HPなどの内容の改革から
IT化を推進していくきっかけに

現在、ベルギーで在外研究をしており、欧州の農業系団体とお話しすることがあります。欧州内でイノベーションが進んでいるとされる農業組合の状況を調べると、まず圧倒的な差を感じるのは、それぞれの組合のHPの充実度でした。
 
当然どのような協同組合かという基本的なことや財務状況は入っているわけですが、加工商品の宣伝や注文の引き受け、さらには、加工商品や名産の農作物を使った料理方法など、あらゆる内容が盛りだくさんとなっており、一般の方たちの情報ツールとして支持されているものもあるようです。
 
見やすさも重視されているように思いましたが、聞くところによると、組合職員だけではデザイン性が乏しくなるので、現地のデザイン学校の学生や若手デザイナーなど非農家の人にも見てもらいながら作るんだそうです。そうした外部の人たちから見て、欲しい情報=本来提供すべき情報を発信することで、組合の経営の透明性も上がるし、加工商品等の売れ行きにもいい影響が及ぶのだとか。さらに、イメージアップ戦略にもつながり、人材確保にも一役買っているのだそうです(もちろん、応募してくる人たちにはそれなりのレベルのIT人材もいるそうです)。

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IT化を進めるというと、すぐソフトや機械・装置の導入ということを考えがちですが、イメージ戦略という側面からHPなどの内容の改革から進めていくのも、IT化を推進していくにあたり良いきっかけになるように思います。
 
少し面白かったのは、欧州の協同組合でもやはりIT化の効果を疑う役員や組合員は相当数いるようで、そうした場合のIT化の進め方です。いくつかの先進的な組合では、HPなど外部への発信の内容をまず、役員や組合員にも見やすい、わかりやすいものにしていく議論から入り、先進性をどう打ち出すかという議論に変えていきながら、ITを活用した省力的な農業技術の導入へつなげていく方が抵抗がなくスムーズだったということです。
 
JAのIT化の議論も案外、見せ方の議論から入るのが良いのかもしれません。
 

PROFILE

中央大学大学院戦略経営研究科(ビジネススクール)教授

杉浦宣彦


現在、福島などで、農業の6次産業化を進めるために金融機関や現地中小企業、さらにはJAとの連携などの可能性について調査、企業に対しての助言なども行っている。


AGRI JOURNAL vol.14(2020年冬号)より転載

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