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生産者の取組み

元DJ世界チャンピオンが、米の食味コンテストで最高金賞を受賞 付加価値のある米作りに挑戦

付加価値のあるお米を
より高い値段で買ってもらう

自家製のぼかし肥料と紙マルチ田植機を活用して育てられた『こまがた農園』の美味しく、安心安全な米は、その8割が自社オンラインショップ等を通じた直販で売られている。

「魚沼産とは言え、米の値段は全国的に下がり続けています。父の代には一俵3万2000円という時期もありましたから、沢山作れば儲かる、という感覚だったのだと思います。ところが今は1万7000円程度です。全国平均と比較すればまだ高値ではありますが、従来通りの考えでは、資材や肥料コストが上がっている現在、この規模ではまったく採算が合いません」。

ここで駒形さんの付加価値のある米作りが、大きな意味を持ってくる。自分が作ったお米の価値を消費者に伝え、その価値観に共感していただければ、価値に見合った価格で売ることができる、と考えた。そこで駒形さんは、米のブランド化に着手した。オンラインショップの制作や写真撮影、商品パッケージデザインにもこだわってプロに依頼した。また、日々の作業の様子や自社のこだわりの詰まった日常をSNSでも発信している。

「この直販メインの体制を構築できたのは、コンテストの効果が大きかったと思います。いくら美味しいとか安全だと言っても、人は簡単には信用してくれません。第三者により高く評価されたことで、一気に『こまがた農園』の米に対する信頼や認知度が高まりました」。


『第23回米・食味分析鑑定コンクール国際大会』で5,141検体中の9位で予選を通過し特別優秀賞を受賞。令和4年には、トップシェフやバイヤーにより審査される『料理王国100選』にてトップ10に選出され、この品評会における最高の賞である優秀賞を受賞した。この受賞米と同じ栽培方法で育てられた『栽培期間中 化学肥料不使用・農薬は除草剤1回のみ』は『こまがた農園』のオンラインショップで販売している。

売り先の多様化にも積極的だ。自社オンラインショップのほか、産直ECサイトやふるさと納税返礼品も活用している。販売チャンネルを多様化することで、一般消費者の方々とのコミュニケーションも増え、お客様同士の口コミもブランド化を後押ししている。

コンテストで高く評価されるために、手間暇を惜しまずに自家製のぼかし肥料を開発。さらに、付加価値のある美味しい米作りを効率化するために、紙マルチ田植機を導入した。その紙マルチ田植機との出会いを足掛かりに、それを最大限に活用して自社の強みやその価値観をマルチチャンネルで日々発信し続ける……これが『こまがた農園』の戦略だ。

米価の下落に対応しようと、一部の水稲生産者は、大規模化・効率化を突き詰めている。一方で、農業にもSDGs(持続可能な開発目標)への対応が求められる昨今である。いわゆる“一発肥料”を原因とするマイクロプラスチック問題が、世間の注目を浴びつつある。誰しもが容易に真似することはできないだろうが、『こまがた農園』の農薬や化学肥料を極力減らすことで持続可能性を高めつつ自社も繁栄しようという戦略は、大規模化・効率化とは異なる、時代の潮流に叶った優れた生き残り戦略である。

新型コロナウイルス感染拡大の終息の兆しが少し見えつつあるが、燃料や農業資材の価格高騰や様々な商品の値上げ発表が続く昨今、消費の二極化が進む世の中のニーズを上手く捉えた、駒形さんは「紙マルチ田植機=高収益ビジネスモデル」を見事に成立させている好事例と言えよう。

三菱農業機械の『紙マルチ田植機』


今年で発売開始から25周年を迎えた、三菱農業機械の『紙マルチ田植機』。田植えと同時に田面に専用の再生紙を敷き詰めることで雑草を抑制する。農薬を極力使わない=安心安全な米作りをサポートする田植機である。

 

PROFILE

こまがた農園 代表

駒形宏伸さん

南魚沼で付加価値のある米作りに挑戦している駒形さん。紙マルチ田植機の導入から2年目となる今年は、紙マルチを使用する区画の面積を昨年の3倍に広げた。「規模ではなく、次世代に引き継げる米作りを追求して行きたい」(駒形さん)。

 

問い合わせ


三菱マヒンドラ農機株式会社


文:川島礼二郎

AGRI JOURNAL vol.25(2022年秋号)より転載

Sponsored by 三菱マヒンドラ農機株式会社

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