私にもできるの? ソーラーシェアリングのQ&A 16選
2017/12/26
ソーラーシェアリング、やってみたいけど......何から、どう手を付けたらいいか分からない。農作業のこと、発電設備のこと、お金のこと、疑問はどんどん湧いてきます。でも、ご安心ください。ソーラーシェアリング導入の疑問に答えます!
Q1. 私にもソーラーシェアリングはできますか?
A.ソーラーシェアリングは、農地に関わるいろいろな人が取り組むことのできる事業です。①「農家さん(地主)が自分の土地で耕作しながら発電事業も行う」というのが標準的なパターンですが、それだけではありません。
②「地主、耕作者、発電事業者が、それぞれ別の人」という場合もあるし、③「農家さん(地主)が自分で耕作しているが、発電事業は別の人が行う」、④「地主は土地を貸しているだけで、耕作と発電事業は別の人が行う」、⑤「地主が発電事業を行うが、耕作は他の人が行う」ということもあります。
誰がやるのか5パターン
地主 耕作者 発電事業者
①山田さん 山田さん 山田さん
②山田さん 鈴木さん 佐藤さん
③山田さん 山田さん 佐藤さん
④山田さん 鈴木さん 鈴木さん
⑤山田さん 鈴木さん 山田さん
それぞれのパターンの特徴は……
①手続きが比較的ラクで、金融機関からの融資も受けやすい。農業委員会の許可も得やすい。
②大規模なソーラーシェアリングに多い。たくさんの人が関わるので地域活性化に結びつく。
③発電事業をやりたい人と協力して、発電設備の地代を得ながら営農できる。
④土地がなくてもソーラーシェアリングに本格参入できる。耕作者と発電事業者は法人である場合が多い。
⑤農地の有効活用をしたいと考える地主さんに最適。農地を守りながら収益アップを実現できる。
Q2. ソーラーシェアリングでつくれる作物は?
収穫量は落ちないの?
A. 太陽光パネルの下でも、適切な遮光率であれば、ほとんどの農作物が問題なく育ちます。これは、植物の葉が光合成に活かせる光の強度には上限(光飽和点)があり、それ以上の強い光はもともと必要とされていないため。既に日本には1000ヶ所以上のソーラーシェアリング導入事例があり、実際に育てられた作物の品種は多岐にわたっています。
作物の生育には、遮光率以外にも日長・気温・地温・土壌・肥料・降雨量など様々な要素が関係するため簡単に比較することはできませんが、ソーラーシェアリングの産みの親である長島彬さんが推奨する遮光率「35%以内」でパネルを設置していれば、生育不良になる心配はまずありません。また、里芋などソーラーシェアリングによって収穫量がアップしたと報告されている作物もあります。
ソーラーシェアリングで収穫実績のある作物(一例)
大豆 ほうれん草 トウモロコシ サツマイモ 大麦 長ネギ スイカ ジャガイモ 蕎麦 チンゲン菜 ブルーベリー 里芋 落花生 ブロッコリー ぶどう 生姜 大根 キュウリ イチジク ミョウガ カブ カボチャ ゆず 椎茸 小松菜 ナス レモン 榊(さかき) キャベツ トマト デコポン 米
Q3. 農業振興地域、第一種農地でも
太陽光発電ができるの?
A. 通常の太陽光発電所の設置では許可されませんが、…………
illustration: Tomoyuki Okamoto
text: Kiminori Hiromachi
EARTH JOURNAL VOL.05より転載