再エネ・最新技術

温暖化のジレンマ……CO2増加で米の収量が増える!?

豪雨、熱波、干ばつ、海面上昇……地球温暖化は、様々な悪影響を及ぼす大きな問題。しかし、植物にとっては悪影響だけではないようだ。

温暖化の問題点と利点

現在の地球は温暖化によって海面の上昇や異常気象などの様々な問題を抱えている。このまま温暖化が進行すると、様々な生き物の生態系が変化すると言われているほどだ。そして、それは私たちが普段口にする食べ物にも影響を及ぼす。地球全体の温度が上昇すると、農作物は圧倒的に育ちにくくなるのだ。

しかし、実は悪い影響だけではないのだという。地球温暖化によって気温が上昇すると農作物は育ちにくくなるが、気温上昇に比例して上昇するCO2濃度は、植物が光合成する速度を速め、収量を増やすと考えられている。

地球全体には悪影響を及ぼす温暖化が、一部の農作物には良い影響をもたらすというジレンマだ。

未来のコメ収量を予測!
収量予測モデルの評価実験

一部の農作物に良い影響を与えるとしても、今後、進行していく温暖化に適応し農作物を生産し続けるためには、今の段階から対策を考えなければならない。

そこで世界9ヵ国の18機関が協力して研究を始めた。世界の様々な地域で開発された16種類のコメの収量予測モデルに関して、予測の精度を比較し評価研究を行ったのだ。

それまでは世界各地でCO2濃度の上昇に対してのコメの収量予測はされていたが、予測モデルの比較や統一した基準での予測は行われていなかった。

以下①~③を比較することで、予測の精度を検証した。

①世界各地で開発された16種類のコメの収量予測モデルによる予測値
②日本の岩手県雫石町、中国の江蘇(こうそ)省の屋外で高CO2濃度の環境を作って植物の生育を見るFACE実験の実測値
③アメリカのフロリダ州で室内のCO2濃度や温湿度を制御して行う人工気象室実験の実測値

研究の結果、①の全モデルの予測値の平均と②、③の実測値はほとんど一致していたが、個々のモデルの予測値にはバラつきがあった。今後は予測モデルの特性を考慮し、研究に用いるモデルを絞り込むなどして、より具体的かつ正確な予測技術になるように開発を進めていくという。

さらなる技術向上に期待したい。

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