<体験レポート>小麦の穂水分率を衛星画像で可視化!
2018/07/17
アグリジャーナル×営農支援サービス「天晴れ」の体験プロジェクト。今回は人工衛星から撮影した圃場の画像を解析し、小麦の穂水分率を可視化! 果たして、うまく活用できるのか?
レポートを見ながら小麦を収穫。
計画的にコスト削減ができる!
Report01 小麦
体験プロジェクトメンバー
岐阜県本巣市
アグリフレンドホリグチ 堀口一平さん
30haの圃場で水稲と小麦を生産。父親から農業を受け継ぎ、担い手の少ない地域の農業を支えるべく奮闘中。
「天晴れ」とは、人工衛星やドローンで撮影した画像を解析し、農作物の生育状況を示したレポートを発行するサービス。収穫時期や生育ムラをひと目で把握することが可能だ。
「衛星画像で解析された自分の田んぼを見てみたい!」という想いからこの「天晴れ」の体験プロジェクトに応募した堀口さんは、地域へ販売する米の生産、農協へ販売する加工米・飼料米・小麦の生産の両輪で営農している。
小麦の収穫期に入る約2週間前の6月上旬、人工衛星画像から解析した小麦の生育状況の天晴れの診断レポートには、明らかに穂水分率のばらつきが示されていた。
穂水分率の高い箇所は青色に。暖色ほど収穫適期を迎えている。
小麦は収穫後に乾燥機にかけるのだが、水分率が高すぎたりばらつきがあると、乾燥コストの増加や、実割れ等の品質劣化につながる。堀口さんは通常、収穫期になると基本的には播種順に複数の圃場を回って刈取っていく。
「天晴れのレポートがあれば、穂水分率が低い所から刈取りを始めようとか、明日は雨予報だから今日のうちに最低限ここだけは刈っておこうなど計画が立てやすい。うちは飛び地が多いので、すべてレポート通りに回る、というのは難しいのですが、それでも参考になりました」(堀口さん)。
JAぎふの担当者とともに、天晴れのレポートをチェック。地域単位での活用のイメージも広がる。
堀口さんの様子を見に来たJAぎふの担当者は、「天晴れのレポートを地域全体で取りまとめて情報共有する仕組みを作れば、さらに有効活用できますね」と話す。本巣市にあるカントリーエレベーターの入庫上限値は、1日に100t。診断レポートを元に刈取り順を決めることが出来れば、無駄なく収穫が進められる。
JAのカントリーエレベーター。地域で天晴れを活用すれば、乾燥機の順番待ちも改善されるかもしれない。
「穂水分率を合わせられれば、乾燥機の燃料コストが削減できるだけでなく、肥培管理がしやすくなって、作物の高品質化・高収量化にもつながります。今後、従業員も増やして農地面積を拡大していきたいと思っているので、このレポートは次年度以降の施肥設計にも広く利用できそうです!」(堀口さん)。
国際航業株式会社 営農支援サービスチーム
TEL:03-4476-8069(平日9:30~17:00)
photo: Fujishiro Takashi text: Mikako Wakiya