牛が排出するメタンガスを1/85まで削減可能! イギリス発のウェアラブル端末とは?
2020/05/27
牛の口や鼻孔から排出されるメタンガスは、二酸化炭素に比べて25倍の温室効果がある。イギリスでは欧米での実用化を目指し、メタンガスを二酸化炭素と水蒸気に分離する「牛用花輪型ウェアラブル端末」が開発されている。
メタンガスの環境負荷を軽減
牛用鼻輪型ウェアラブル端末
牛の口や鼻孔から排出されるメタンガスは、二酸化炭素に比べて25倍の温室効果がある。英国で開発された「ゼルプ」は牛の呼気に含まれるメタンガスを検知し、酸化により二酸化炭素と水蒸気に分離する鼻輪型ウェアラブル端末だ。
一般的な頭絡や首輪と同様、牛に簡単に取り付けることができ、充電せずに約5年間使用し続けることが可能。牛が排出するメタンガスの環境負荷を85分の1に軽減できる。
また、牛の位置情報や健康状態などを常時モニタリングでき、収集したデータを疾病の早期発見や飼料給与の最適化に活用できるのも利点だ。これまでに英国とアルゼンチンで実証実験を実施。欧米での実用化を目指し、さらなる改良をすすめている。
©ZELP Ltd.
文: Yukiko Matsuoka
AGRI JOURNAL vol.15(2020年春号)より転載