農業情報・現場情報を直接届けあう! 農業者と農水省をつなぐ「MAFFアプリ」とは
2020/07/21
農林水産省と農業者が情報共有できる「MAFF(マフ)アプリ」が登場!農林水産省から農業者へ、作物情報・病害虫情報・災害対策情報・イベント情報など、ユーザー属性に応じて必要な情報が届く。読みやすく、分かりやすい記事が好評だ。
スマホに情報が届く
霞が関に声が届く
農林水産省と農業者が情報を共有できるスマートフォンアプリ「MAFFアプリ」が農林水産省から登場した。農林水産省から農業者のスマホに、農業に役立つ情報を直接届けられるアプリだ。
農業者へ届く情報は、農業者のプロフィールや栽培作物、地域に応じたもの。政策情報なども、読みやすいニュースアプリのような記事となって配信されている。また農業者から農林水産省へ、現場情報などを届けられるのも魅力。
農業者がアクセスしやすいかたちで提供すると同時に、農業者の発信する情報をもとに、迅速に政策を展開できる新たな仕組みが構築されている。
必要な情報を無駄なく届けたい
「MAFFアプリ」開発秘話
「農林水産省が発信する政策情報などに対して、農業者さんより『農業者に届いていない』『関心のない情報が含まれている』などの声があがっており、なんとかしたいと考えていました」と話すのは農林水産省の近藤企画官。「MAFFアプリ」開発の企画者だ。
MAFFアプリを開発するなかで、特にこだわられたポイントが情報のマッチング機能。記事に付加された「作目」「地域」「カテゴリ」などのタグと、ユーザーが登録するプロフィール情報や関心事項をマッチングさせることで、ユーザーに関係する情報だけを受け取ることができるのだ。
さらに、ユーザーのプロフィールに応じた気象警報や、制度変更の通知、補助事業説明会、病害虫予察情報、勉強会などのイベント情報、災害対策情報、実証事業情報なども届けられる。そのほかにも「スマート農業」「輸出促進」「農薬」などのカテゴリで情報がタグ付けもされているので、よりユーザーにマッチした情報が確認できる。また、重要な情報や、緊急情報については、プッシュ通知で知ることができるのも嬉しい機能だ。
近藤企画官は、アプリのデザインについて農業者の日常に溶け込むようなデザインを重視したと語る。
「農林水産省のホームページに記載されている同じ情報でも、より頭にスッと入るように、分かりやすい表現を意識して書き直しました。必要な情報を、効率よく届けることを目指します。」(近藤企画官)
農業者からは「情報が見つけやすい」という嬉しい感想が早速届いているそうだ。
農業者から農林水産省へ
現場情報を直接届ける
さらに、農林水産省へ現場情報を直接、即時に届けられる機能も実装されている。現在、利用検討をしているのは、農林水産省からのアンケート回答や、画像付きで現場の情報を農林水産省に届けてもらう仕組みだ。
また集まった画像をビッグデータとして分析することにより、全国的な作付け状況や生育状況、病害虫発生状況、災害被害状況の収集などに役立てる。農業者が抱える課題などの政策ニーズを、農林水産省が正しく得ることで、迅速な対策や支援につなげる狙いだ。
例えば、ドローンについてルールを認知しているかどうか、また疑問点など普段から感じていること等をアプリ内のアンケートで回答してもらうことで、勉強会開催や、申請届け出の簡素化などに役立てられる。ほかにも、地域で病気の流行が発生した場合、アプリを通じて農林水産省に情報を届けられれば、農林水産省が即座に把握し、周辺地域へ注意喚起できる。
「今後、より良い活用ができるように試行錯誤していきます。リアルとデジタルの融合で、これからの農業を支えていけるように頑張ってまいります。」(近藤企画官)
アプリを通して農林水産省がデータ連携の基点となり、農業界全体で情報を共有できるようになれば、今後多くの場面で役立てられることだろう。MAFFアプリは現在Android版・iOS版ともに無料でリリース中だ。
DATA
文:竹中唯