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世界中の英知が農業を面白くする。ベスト農業用フィールドロボットを発表!

世界各国から創意工夫がつまったコンセプトが集結。フランスで開催された『Best Field Robot Concept』は、農業フィールドロボットに特化した国際イベントである「FIRA(国際農業ロボットフォーラム)」のアワードのひとつ。そこで受賞した4つのユニークなアイデアを見てみよう。

初のオンライン開催
FIRAの農業ロボットイベント

「FIRA(国際農業ロボットフォーラム)」は、農業ロボット分野に特化した国際イベントである。2016年の創設以来、仏トゥルーズで毎年開催されてきたが、コロナ禍の2020年は、12月8日から10日までの3日間、初めてオンラインで開催され、世界100ヶ国から約3000名が参加した。

最も優れた
農業用フィールドロボットを発表

FIRAとスマート農業専門メディア「フューチャー・ファーミング」は、12月10日、最も優れた農業用フィールドロボットのコンセプトを選出する「ベスト・フィールドロボット・コンセプト(BFRC)」の2020年受賞者を発表した。

「ベスト・フィールドロボット・コンセプト」では、「フューチャー・ファーミング」の編集長をはじめとする専門家7名の審査員が、独創性・実現可能性・農家へのインパクト・農家での導入のしやすさ・持続可能性の5つの観点で、まだ実用化されていない農業用フィールドロボット22件を評価。その結果、イスラエルのテベル・エアロボティックス・テクノロジーズが開発した「ドローンによる果樹園向け自動収穫ロボット」が「ベスト・フィールドロボット・コンセプト」を受賞した。

テベル・エアロボティックス・テクノロジーズの自律飛行ロボットによる自動収穫ソリューション © 2020 Tevel Aerobotics Technologies Ltd.

ドローンを活用した
自動収穫ロボット

果樹園では収穫作業を担う人手が不足し、世界全体で10%以上の果物が収穫されないままとなっている。そこで、テベル・エアロボティックス・テクノロジーズは、ドローン、人工知能(AI)を搭載した独自のプラットフォーム、ロボットアームを組み合わせ、世界初の自律飛行ロボットによる自動収穫ソリューションを開発。

ドローンが圃場を自律飛行しながら、カメラで果実を検知し、人工知能により熟度や大きさなどをもとに収穫の是非を判断。そのうえで、ドローンに装着された長さ1メートルのロボットアームの先端の鉤爪状のグリッパーで果実を傷つけることなく摘み取り、収穫ボックスまで運ぶ仕組みだ。リンゴや桃、柑橘類、アボガドを栽培する果樹園で導入でき、収穫のほか、間伐や剪定にも活用できる。いよいよ2021年には実用化される見通しだ。



一般投票で人気を集めた
ロボット上位3位

「ベスト・フィールドロボット・コンセプト」では、審査員による評価に加え、農業用フィールドロボット全22件から審査員が絞り込んだ10件を対象に、12月3日から9日まで一般投票をオンラインで実施。一般ユーザー2359名がこれに参加した。

その結果、一般ユーザーから最も多くの票を得たのは、イギリス・プリマツ大学からスピンアウト(分離・独立)したフィールド・ロボティックスであった。フィールド・ロボティックスでは、ソフトフルーツ(柔らかい果物)の収穫に特化した独自のロボット技術を開発。ロボットアームのソフトウェアのアルゴリズムとツールを交換することで、様々な農作物に対応できるよう設計されているのが特徴だ。2019年には、ソフトフルーツの中でもとりわけ収穫しづらいラズベリーの収穫ロボットの開発に成功している。

フィールド・ロボティックスが開発したラズベリーの収穫ロボット © University of Plymouth

フィールド・ロボティックスに次いで得票数が多かったのは、イギリス ヘイ・ビー・シーのロボット「クロップ・ホッパー」。軽量で土壌に負荷をかけず、圃場を軽やかに跳ね回りながら、農作物の生育状態をモニタリングしたり、雑草や害虫、疫病を検知する、世界初の「跳ねる農業用ロボット」だ。

3位には、オランダで開発された軽量なフィールドロボット「ロボッティリア」がランクインしている。

軽量なフィールドロボット「ロボッティリア」 © 2005-2018 Stichting de Hoeksche Waard op de Kaart




文:松岡由希子

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