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ドローンに免許制度が導入される! 航空法改正で農業ドローンはどうなる?

改正航空法で免許制度が導入!
申請も不要になる

いよいよ本題。今回の改正航空法で農薬散布ドローンに関して何が変わるのかについて、3月9日に国土交通省が発表した資料を見ながら説明していこう。

▶ 国土交通省/航空法等の一部を改正する法律案を閣議決定~航空ネットワークの確保と航空保安対策、ドローンの更なる利活用を推進!~

今回の改正で農業と深くかかわるのは、改正内容の『[3]無人航空機のレベル4飛行の実現等』である。この改正自体はレベル4の無人飛行を実現するのが狙いだが、そのための二つの施策がドローンの農業利用と深く関係している。

それが以下の2点である。

(A)無人航空機の飛行の安全を厳格に担保するため、国土交通大臣が機体の安全性を認証する制度(機体認証制度)及び操縦者の技能を証明する制度(技能証明制度)を創設。
(B)技能証明を有する者が機体認証を受けた無人航空機を飛行させる場合、国の許可・承認を受けた上でレベル4飛行を可能とするとともに、これまで国の許可・承認を必要としていた飛行について手続きを合理化。

(A)は簡単に言えば、ドローン機体については安全機体認証制度が、また操縦者に対しては技能証明制度が、それぞれ導入される、ということだ。

そして(B)では、認証された機体を免許所持者が操縦するなら農薬散布時の申請が不要となることが様々な条件付きで検討されている。この二つについて案文を読みつつ、更に詳しく説明しよう。

機体認証と免許

機体認証制度とは?
第三者の上空を飛ばせる第1種と、第三者の上空を飛ばすことができない第2種、という2種類が設けられる。

一般的な農地での利用であれば、第2種で良さそうだ。また製造メーカー(あるいは輸入代理店など)に対しては、型式認証制度が設けられる。ドローンの利用者である農業生産者にとっては、型式認証を受けた機体を利用すれば、認証手続きの一部簡略化が可能となるので、これは大きなメリットとなるはず。

技能証明制度とは?
また、操縦者に対する技能証明制度とは、簡単に言えば、免許制度である。16歳から取得できる。こちらにも機体認証制度と同じように、第三者の上空を飛ばせる1等と、第三者の上空を飛ばすことができない2等、という2種類が設けられる。

免許を取得するには?
そして免許を取得するには、国が指定する機関にて、身体検査、学科試験、それに実地試験を受験することになる。ただし国交省に登録された機関で講習を受けた者は、学科試験または実地試験の全部または一部が免除される。これは自動車運転免許と似た仕組みと考えて良さそうだ。免許の有効期間は3年であり、有効期間が過ぎる前に更新する。


以上の二点が、ドローンの農業利用に関する大きな変更点である。機体認証制度と技能証明制度が導入されることで、ドローンに関するルールが今まで以上に明確になり、門戸が広がっていくと思われる。

法案が成立した場合、2022年中に施行される予定となっている。ドローンの農業利用に興味を持っている方は、動向を注視しておくと良いだろう。

なお、昨年に改正が決定されている「ドローンの定義が200g以上から100g以上に引き下げられる」項目については現在施行待ちの状態である。追加の情報があれば本稿を訂正していく。


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文:川島礼二郎

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