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ハウスだけでなく果樹や露地栽培でも! 村田製作所が高性能な土壌センサを開発した理由

農業の理想の一つは「文化の発展、環境、経済、生物、地域がバランスよく持続性を保つこと」ではないだろうか? そんな理想の実現へ貢献する高性能な土壌センサの量産を、あの村田製作所が開始した。

復興支援のために開発された
最初期の土壌センサ

一部の施設園芸生産者は、土壌センサを利用することで、作期を通じて常に培地の水分量・肥料濃度などを計測。その値を適切に管理することで、高収量を上げ、効率化を図っている。

そんな高度な栽培管理を、施設園芸のみならず、露地野菜栽培や果樹栽培などでも行う時代が来るかも知れない。そう予感させてくれる高性能な土壌センサの量産を、2022年5月、あの村田製作所(以下、ムラタ)が開始した。

村田製作所の玉乗りロボット「村田製作所チアリーディング部」

「ムラタ製品のお世話にならずに一日を過ごすことは不可能」と思われるほど、ムラタは私達の生活を陰から支えている。ムラタの創業は終戦前年の1944年。陶器製品の工場を源流とする。現在では、セラミックスコンデンサでは世界随一のシェアを誇る電子部品のグローバル企業である。その製品は、益々高度化しているスマートフォンや自動車に搭載されている。

ここで紹介するのは、そんなムラタが量産を開始した土壌センサだ。ご存知のように、土壌センサは既に市場に多数存在している。そこになぜ、ムラタが今、土壌センサを発売したのだろう? 機能デバイス事業部 商品技術部 開発・マーケティング課の大場義之さんが教えてくれた。

「この土壌センサは、もともとは東日本大震災からの復興プロジェクトとして開発したのですよ。津波により東北地方の沿岸部の水田や畑が冠水して、塩害の被害を受けてしまいました。そこからの復興にムラタとして貢献したい、という思いから開発を始めたのです。

さらに世界中の気候変動による環境問題への貢献や農業のスマート化に適応するセンサとして進化を遂げさせてきました。センサの機能も大事ですが、これが創出する付加価値というものを特に重要視しています。」

 

ムラタの土壌センサは
高耐久性・高精度・リーズナブル

それでは、量産が開始されたという、ムラタの土壌センサを見てみよう。それは、3つのセンサが1つのボディに内蔵されており、EC(電気伝導度)、水分率、温度という3つのパラメータについて、土壌中、水中において同時に計測することができる。ECセンサには業界初という9電極が用いられており、多くの計測パターンにより不確定性の排除=高精度を実現しているという。

開発の過程で特に配慮したのが、耐久性とECの精度であるという。

「耐久性は、震災復興用として開発した初期の土壌センサの頃からの課題でした。同時に、市場にある土壌センサが解決できていない課題であり続けています。これを、設計から生産工程までを見直すことで解決しました。

ボディに耐候性の高い樹脂を採用したり、ケーブルとボディやボディ同士の隙間から水が入らない構造にしたり、腐食の起こらない金属の採用や電圧の配慮と、パッと見ただけでは分かりませんが、細部まで丁寧に検討して、製品化しています。当然のことながら土壌センサは、土壌の化学性、生物性、そして設置時の物理性にも耐えなければなりません。それに対する耐久性は、日本においては北は北海道、南は沖縄まで、さらに赤道近くからヨーロッパまで、多種多様な環境下で検証済です。

ECの精度の高さには、特に自信があります。土壌は土の粒、空気、間隙水の3成分から構成されていますが、少ない電極で計測した場合、電極間に石の粒や空気層が挟まると、正確に計測できませんでした。また、EC値は水分量とイオンの量に影響を受けてしまいます。そこで当社の土壌センサでは9電極を採用して高精度化を図りつつ、同時に独自アルゴリズムにより肥料の量だけを計測することが可能となっています」。

世界中での実証を経て量産開始
様々な農業現場で灌水を効果的に

こうして高耐久性と高精度を手に入れた土壌センサは、世界中で試験や実証実験を繰り返され、2022年5月、遂に量産された。2012年の復興プロジェクト開始から10年を経たことになる。ムラタはこの土壌センサを、多様な農業生産の場で、様々な課題を解決するために、検証を行ってきた。

施設園芸(ピーマン)

宮崎県西都市のピーマン生産者グループである『黒生野アグリ研究会』では、ハウス内での養液土耕栽培に土壌センサを導入(RightARM(テラスマイル社の農業経営クラウドサービス)と組み合わせる)したことで、約10%の生産性向上による経営効果があった。

露地(ジャガイモ)

土壌センサをジャガイモ栽培に導入したカルビーポテトでは、センサ値に基づき、効率的な灌水作業の実現と1.6倍の収量増を合わせて実現した。


写真左:灌水あり
写真右:灌水なし


写真左:灌水あり
写真右:灌水なし

その他果樹栽培では土壌水分量が品質を大きく左右するが、品質向上に向けて柿の圃場での実証実験を続けている。

この高耐久性と高精度を誇るムラタの土壌センサだが、実はその価格にも強みがある。なんと、市場にある同等品より遥かに安価な価格とされており、圃場内に複数設置する例が続出しているのだとか。

これまでの土壌センサが抱えていた、耐久性と精度、それに価格といった課題を一挙に解決したムラタの土壌センサは、あらゆる農業をスマートにする可能性を秘めている。これまで一部の施設園芸を除いては、リアルタイムで土壌の状態を見える化する、という発想そのものがなかった。だが、もしも露地野菜栽培や、果樹栽培でもリアルタイムで土壌の状態を見える化できたら、これまでよりも遥かに収量が上がるかも知れない。秀品率が上がる可能性がある。施肥効率も高まりコスト低減に寄与するだろう。

ムラタの土壌センサはこのように、農業生産者が抱えている様々な悩みを解決できる可能性がある。

 

DATA

株式会社村田製作所

Sponsored by 株式会社村田製作所

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