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デジタルツインの仮想空間でハウス設備を再現!見える化の概念を変える環境制御システムが発売

「2025年までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践する」という政策目標が掲げられるなか、メタバースのようにハウス内のセンサーや機器を見える化して制御できるシステムが発売される。

“見える化”の概念が変わる!
新システム『Sfumato』

「『2025年までに農業の担い手のほぼ全てがデータを活用した農業を実践する』という政策目標が掲げられていますが、それでもスマート農業がなかなか進まない要因の一つに、理解の難しさがあると考えました。よりわかりやすく、面白く……というところを重視して『Sfumato(スフマート)』の新システム開発に取り組みました」。
そう話すのは、株式会社オムニア・コンチェルト執行役員の潘博文さん。Sfumatoは、広範囲で機器の制御が可能な環境制御システムだが、今回の開発により、「データの見える化」「センサー・機器の見える化」「制御の見える化」を一新させるという。「例えば、トマトを栽培するときに、CO2の濃度がどの程度になったら良いのか、グラフを見ただけでわかるようになります」。


Sfumatoの開発中のモニター画面。機器の稼働状態が、立面図や平面図での表示によって理解しやすい。


Sfumatoの開発中のモニター画面。グラフや詳細データの表示についても一新される。

「また、ハウス内のセンサー・機器をすべてXYZ軸の立体空間で、3Dアニメーションで表示させ、誰でも視覚的に理解できるようにします。例えば、温度を下げようとスマートフォン等の端末からファンを回して換気する場合、実際に指令が出たとしても本当に回っているのか、温度の推移を見ないとわかりませんでした。それが今後、自分がメタバースのようにハウスの中に入る感覚で、物理的に機器の状態がわかるようになります」。同社が目指すのは、「ITに不慣れな方や高齢の方でも使いやすいシステム」。製品の開発は、2023年秋の販売を目指して進行中。5/24(水)~26(金)にグランメッセ熊本で開催の「九州農業WEEK」会場で、初お披露目される予定だ。

 

木質バイオマス資源を活用!
オムニア・コンチェルトの農林業への取り組み

木製ハウスでの実証を開始

Sfumatoの新システム開発を行うオムニア・コンチェルトは、農林業を中心とした幅広い事業を展開している。なかでも現在力を入れるのが、林木育種を主軸として、木を用いた街創りや、木製の農業用ハウスのマーケット展開に伴う環境制御技術開発だ。
木製ハウスは、ビニールの代わりに植物由来のフィルムを、パイプや鉄骨の代わりに間伐材を活用して建てられるハウス。そこに、ブラインドで日射量をコントロールしながら太陽光パネルで発電できる「両面太陽光 パネル日射制御システム」を搭載。太陽光パネルも両面対応として、発電効率を上げながら、日射量を植物に最適化できるように制御。発電量なども遠隔監視で確認できる。
現在宮崎県串間市や、その他研究機関で実証を行っており、2030年に向けて農林業ハウスの改革を目指している。

DATA

農林業用 環境監視・制御システム
Sfumato(スフマート)

温度、湿度、CO2濃度、照度、pH、EC、土中温度、土中湿度、風力、気圧などの環境データや、CO2やAir制御の供給流量、積算流量状況をスマートフォンやタブレットからリアルタイムで確認できるシステム。CO2局所施用コントローラー「ブレス」や、光合成効率促進装置「コンダクター」、環境統合制御機器「コンチェルト」に接続して使用する。

 

問い合わせ

株式会社オムニア・コンチェルト

Sponsored by 株式会社オムニア・コンチェルト

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