【九州農業WEEKリポート③】多様な有機廃棄物をまとめて自然分解処理

2026年5月27日(水)~29日(金)、西日本で最大規模の農業・畜産の総合展「第5回九州農業WEEK(通称 J-AGRI KYUSHU)」が、熊本市のグランメッセ熊本で開かれた。出展した製品のなかから、多様な有機廃棄物を分別することなくまとめて自然分解処理するソリューションを紹介する。

<目次>
1.日本とアジアの農業市場の 持続可能な発展に貢献
2.有機廃棄物の処理問題を解消 環境配慮型ユニットが話題に

 

日本とアジアの農業市場の
持続可能な発展に貢献

 


展示会場のグランメッセ熊本(熊本市)

 
農業WEEKは、毎年5月に熊本市のグランメッセ熊本、10月に千葉市の幕張メッセで開催される農業・畜産の展示会。農業資材、スマート農業製品、畜産資材、6次産業化製品、脱炭素・SDGs製品が日本国内だけでなく世界の国々から出展され、農業法人、畜産農家、農協、参入検討企業などが九州及び近隣のアジア諸国から来場する。

九州農業WEEKは、「日本とアジアの農業市場の持続可能な発展に貢献する」ことをビジョンに掲げ、農業に関わるすべての人にベネフィットを提供することを目指している。会場のグランメッセ熊本は、九州各地からアクセスが良いため、西日本で最大規模の展示会として定着している。今回は、「スマート農業EXPO」、「農業資材EXPO、「次世代 農業経営EXPO」、「畜産資材EXPO」、「農業 脱炭素・SDGs EXPO」の5つの展示会に約300社が出展し、期間中、約11000人の来場者がつめかけた。
 

有機廃棄物の処理問題を解消
環境配慮型ユニットが話題に

 


JR九州システムソリューションズの展示ブース

JR九州システムソリューションズは、ITで豊かな社会を支えるJR九州グループの企業である。九州農業WEEKでは、同社が販売代理店を務める有機物自然分解処理機「PISTEC(ピステック)」を展示し、大きな反響を呼んだ。PISTECは、農作業や食品加工の過程で発生する多様な有機廃棄物を分別することなく、まとめて投入できるのが強みだ。炉内では化学反応熱を用いて200から300度の低温で有機物を低熱分解し、数時間で炭化・減容する。さらに約3日をかけて、土壌改良や建材などに活用できる炭酸塩へと変換する仕組みである。

火を使わないアップサイクルユニット「PISTEC」

従来の焼却処理とは異なり、低酸素状態を維持して分解するため、二酸化炭素やダイオキシンの排出量を極めて低く抑えられる。1平方メートルモデルであれば4畳半程度のスペースに設置でき、三相200V+100V電源で24時間稼働するため管理者の立ち会いも必要ない。専用の太陽光蓄電池システムにより完全オフグリッド化も可能で、災害時への備えとしても機能する。現場で廃棄物を減容・アップサイクルして輸送コストや環境負荷を大きく削るこの技術は、地域農業のカーボンニュートラル実現へ向けた新たな選択肢となる。
 

DATA

JR九州システムソリューションズ株式会社


取材・文/アグリジャーナル編集部

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