農業で地域活性化〜山椒農家らの挑戦、地元産業は世界で通用するのか?
2018/03/09
“人をやる気にさせる”
それこそが地方創生の鍵
「やってもらっています」という、内藤の口から時折出てくるこの言葉に、飛騨山椒が様々な成功をおさめてきた理由を見た気がする。いつも誰かに”支えられている”という素直な感謝が、実直で真面目な人柄が、周りの人を動かしたのではないだろうか。
「消費者は、ただ安いだけの商品を求めているのではないと思うんです。価格競争ではなく、本当に良い商品を、適価で届けたい。利益を出さなきゃビジネスは成り立ちません。私は、商品の本当の価値を伝えていきたい」。
内藤氏の、力強い経営理念だ。
地域が良い方向に変わってゆくのは、なぜか。そこに強い産業があるからだろうか。
いや、それだけでは人の心は動かない。本物を作ろうとする “その人たち” がいるから、少しずつ、変わっていくのではないだろうか。人数ではない、若い人がいるかどうかでもない。そこにいる人が、その土地を輝かせていくのだ。
「地域の特産品である山椒と共に、雇用創出や、観光振興に寄与していきたい。そして、飛騨の山椒を世界に発信していきたいと思っています」。
海を渡り、薫れや飛騨山椒。いつか「世界の山椒ここにあり」と言われる日も来るかもしれない。
雪の中で、夏に赤々とした実をつけようと、ひっそりと佇む山椒の木々が今日も美しい。
まとめ
(出典:農林水産省)
DATA
有限会社 飛騨山椒
岐阜県高山市奥飛騨温泉郷村上35番地1
TEL:0578-89-2412 FAX:0578-89-3328
公式ホームページ
農水省の「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」(第4回選定)で農山漁村活性化の優良事例として選定された31地区(応募は全国から844件)の中から、農業に関係のある取り組みをピックアップして紹介する新シリーズ。これを読めば、農家も地域も元気になるヒントが見えてくる!
text: Yuki Kawahara