成功する農業!参入時における既存事業とのシナジー
2017/06/23
新規事業に取り組む場合、何の関係も無い事業を始めることは非常にリスクが高い。そのため基本的には、既存事業とのシナジー(相乗効果)が得られる取り組みが効率的と言える。当然、農業においても同様なのだ。今回は、農業への新規参入を検討する際の注意点を紹介する。
自社の強みを活かす
最近は、農業についていろいろな情報が出回っており、気楽に「〇〇野菜を栽培したら儲かる」というような話に乗りやすい状況がある。しかし、まずは冷静に、本業の取り組みや人脈の中で農業分野で活かせるものがないかを考えた方がよいだろう。食品関連企業の場合は、農産物が身近な存在なのでイメージしやすいが、その他の業種では、少しでも関連性のあることから深堀りしていくべきだ。
食品関連企業の場合
食品メーカー、飲食業、給食業、食品卸売業等、食品を扱っている企業の場合、当然、自社で取り扱っている農産物を生産することが無難な選択と言える。もちろん、その中でも何を生産すべきかは、慎重に検討する必要がある。仕入れ量が最も多いもの、仕入が安定しないもの、高付加価値なもの、自社生産により差別化が可能なもの、農地の場所など、自社のおかれている環境を客観的に分析した上で決定すべきである。
その他の業種の場合
まずは、農業分野で自社の商品や業務内容、人脈を活かせるかを考えたいところだ。
たとえば、
・販売先となり得る食品関連企業と繋がりがある
・○○野菜づくりの名人から指導を受けられる
・○月~○月は仕事が少ないから人員を振り向けられる
・○○地域の農地が集めやすい
・中古農機が入手しやすい
・安価にビニールハウスが建てられる
などなど、いろいろな角度からメリットを探る。
しかし、単にこれらの点が合致するところがあるからと言って、簡単に栽培品目を決定すべきではない。基本は、何を栽培してどこに販売するかをしっかり検討する必要がある。