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成功する農業! 4つの販売先ターゲット

農業は、野菜や果物を上手く「栽培」することばかりに意識が向きがちだが、栽培と同じぐらい重要なのが「販売」だ。今回は販売先ターゲットの考え方と「卸売業者」について紹介する。人気企画「成功する農業!」第4弾。

 まずは販売先分類の整理をしよう!

青果物の販売先は、大きく分けて4つに分類される。それぞれの特徴を理解し、よりメリットのある販売先を選びたい。

1.市場出荷

生産者と販売者、相互による取引が行われる。基本的に出荷物を全量購入してもらえるが、出荷時の相場によって価格が大きく変動する。

2.量販店(主にスーパー)

これまでスーパーは、市場からの仕入れに依存してきたが、最近では産地からの直接購入も増加している。直接取引の場合、納品量や価格の変動に対する対応力が必要になる。生産者としては市場を通した方が気軽に付き合えるが、その分、価格は安くなる。
また、一般消費者へそのまま販売されるため、規格や見栄え等も重要な要素になると言える。

3.業務用加工

外食、中食、給食事業者等への販売。量販店向けに比べると品質面の規格は緩いが、価格も比較的安価になる。そのため、素人が始める農業の場合、比較的販売しやすいと言えるが、年間を通じての安定供給を求められることも多く、対応力が重要になる。

4.直売所

個人で農業を始める場合、手軽に始められるのが直売所での販売だろう。規格、出荷量、価格に対する決まりはほとんどなく、他の生産者が出荷している商品を確認しながら、自分で決めることができる。少量出荷から始める場合には、非常にやりやすいと言える。

 

販売先へどう売り込むか?

個人農家の場合、自分のペースで直売所へ持っていく程度でよいが、企業としてしっかり利益を出すためには、どうすべきか。
量販店も業務用加工向けも、一定量の納品と安定供給を必要とされる。特に大型スーパーチェーンの場合は、全店に同じ商品を並べたいというニーズがあり、その納品量を賄うには、大規模での生産が必要となる。直接、店舗やカット工場等に営業に行っても、相手にされないことが考えられる。

その際にうまく活用したいのが、「卸売業者」の存在だ。
卸売業者は、市場からの仕入や生産者との直接取引を行い、一定量をまとめたかたちで、量販店やカット工場等に販売を行う。生産規模が小さい場合や、供給が安定しない場合には、ぜひ活用したい存在だ。
卸売業者は、「総合的に青果を取り扱っている業者」「量販店に強い業者」など、それぞれに特徴があるため、栽培品目や目指す方向性に合わせて選定するとよい。
また、量販店等と直接取引を行っていても、規格から外れたものが手元に残ったり、生産過剰が起きた場合に活用できるので、卸売業者との付き合いはあったほうが良いだろう。もちろん複数の卸売業者と付き合っておくのもアリだ。

様々な販売先とのつながりを持っておく

実際には取引につながらなくても、いくつか候補があるだけで、経営リスクは低減する。ほかの生産者が欠品した場合に出荷を開始できたり、生産過剰の場合に買い取りをしてもらったり、様々なケースが考えられるため、日頃からネットワークを広げるように努めたい。


(株)アグリジョイン山田 浩太
2001年(株) 船井総合研究所に入社。農業・食品リサイクル分野のコンサルティング、企業の農業参入コンサルティングに従事。グループ会社のアルファイノベーション(株)で農業生産を行いながら、全国の生産者から仕入れた青果物を大手飲食チェーンやカット工場へ販売を行う独自の産直取引ネットワークを構築している。
http://www.agri-join.co.jp/

 

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