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契約栽培、販売先開拓はDXで効率化するのか? 買取・販路マッチングシステム活用のポイント

デジタル・トランスフォーメーション(DX)は、アナログな作業を単純に電子化する「デジタル化」ではなく、デジタル技術を用いてビジネスモデルや経営戦略・事業戦略を変革させることを指す。DX によって、より簡単に、より適した取引先を探すポイントを、流通経済研究所・折笠俊輔氏が解説する。

取引先開拓に向けた課題

農業経営を考えていくにあたり、マーケット・インが重要であると言われています。農産物を生産して、その生産物を起点に販売を考えるプロダクト・アウトと言われる考え方では、「生産したは良いけれど、販売先が見つからない」といった事態に陥ることがあり、そうなると「品質を維持できる間に、安くても良いから販売しないといけない」ということになります。この場合は、必ず引き取ってくれて、販売してくれる(農産物をお金に変えてくれる)卸売市場などに出荷することになります。

卸売市場への出荷は、決して悪い取引ではなく、量をきっちり販売していく視点では大切なものですが、販売価格が市場の需要と供給のバランスで決まってしまうため、自分で価格を付けて販売することができないデメリットがあります。そのため、卸売市場への出荷は「販売先が無いから出す」というやり方では失敗しやすく、しっかりと生産の段階から市場出荷を考えて戦略的に行うべきものです。

そう、農業経営において「販売先が無い」という状態を作らないことが重要なのです。その対策としてマーケット・インがあげられます。これは、顧客のニーズを起点に生産と販売を考えるものであり、生産の段階から販売先や顧客の要望を検討しておきましょうね、というものです。マーケット・インの農業を考えていく中で、重要な取引形態が「契約栽培」です。

契約栽培は、事前に販売先となる顧客と契約を締結し、生産した農産物をその契約に沿って納品し、対価を得るものです。契約栽培では、農業者側は、事前に売り先が決まること、ある程度の取引価格が決まることで、安定した収益をあげられること、計画的な経営が実践できること、といったメリットがあります。一方、農産物を購入する事業者側は、市場の動向にかかわらず、安定的に農産物を調達できること、自分たちの求めるスペックの農産物を生産してもらえること、などのメリットがあります。

よって、契約栽培には、いくつかのパターンがありますが、契約内容として以下の内容などを約束することが多くなります。

量・面積
  どれくらいの量を、いつ、どのように生産し、納入するか。
スペック
  品種やサイズ、糖度などで、農産物のスペックが指定される。
取引価格
  期間中、固定金額で買取る企業もあれば、市場価格をベースに週単位で決める企業もある。

このような条件が、生産者と買い手企業側で合意されたとき、契約を締結することができるようになります。また、1回契約を締結した場合、それがお互いにとって良い取引であった場合は長く続くことになります。これはつまり、「条件が合う相手」をいかに見つけられるか、が重要であるということです。量は合うけどスペックが合わない。スペックは合うけど価格が合わない……という状況では契約にいたらず、交渉にかける工数がお互いに無駄になってしまいます。



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