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高温・乾燥ストレスの予防に!「海藻」の恵みを植物へ届けるバイオスティミュラントとは?

持続可能な農業を実現する、バイオスティミュラント。農薬・肥料・土壌改良材という従来の枠に収まらない、植物が持つ本来の力「ストレス耐性力」を高める新しい農業のカタチだ。海藻由来のバイオスティミュラント「マリンインパクト」の魅力とは?

花がつかない、実が太らない、
良い苗ができない…
環境ストレスで生じる影響

品質を維持したい、収穫を安定させたい、余分な労力を使いたくない……そんな風に願うのは、農家の常。くわえて近年では気候変動の影響もあり、環境変化に対する不安や心配も尽きない。そんななか、農作物を栽培する上で大切なのは、いかに予防的な準備ができるかと言えるだろう。とりわけ高温・乾燥ストレス対策は、今後も無視できない重要課題のひとつ。予防対策の引き出しは、ひとつでも多い方がいい。

大切なのは、植物の生態を知ること。動物と異なり、植物は同じ土地に根を張り、移動することができない。そのため一生を通じてその土地におよぶストレスを受け続けることになるが、そうした環境でも命を繋げられるよう、植物は元来ストレスを軽減するための能力を持つ。ストレスの主な原因は、活性酸素(植物体内で発生)が蓄積することによるが、それを抑制するシステムを備えているのだ。しかし、平均気温の上昇といった強いストレスを受けると、体力の低下とともにストレスに対抗する能力も減衰。例えば、高温、乾燥ストレスによる植物生育障害として、次のような症状が発生することになる。

・花がつかない
・果実が肥大しない、着色が悪い 
・良い苗ができない(徒長 虚弱苗 ひょろひょろの苗)
・品質が悪い(胴割米、白未熟粒ほか)

こうした環境ストレスに対抗するためには、植物の基礎体力を養うことが効果的だ。対症療法ではなく、予防医療のような考えである。そこで非常に有用なのが、バイオスティミュラント資材だ。

高温・乾燥ストレス対策は
なにが必要?

バイオスティミュラント(BS)とは、植物や土壌に処理し、より良い生理状態を植物体にもたらす様々な物質や微生物による農業資材のこと。農薬・肥料・土壌改良材という従来の枠に収まらない、そして、農薬・肥料への依存を軽減して健やかな生育が叶う農業技術として、近年注目を集めている。 

そんなBSにおける国内トップランナーであるファイトクロームでは、高温、乾燥ストレスの予防にも効果的な資材をラインアップ。そのひとつが、海藻由来のバイオスティミュラント「マリンインパクト」だ。カナダ沖に自生するアスコフィラム ノドサム(褐藻類)を100%抽出した天然資材で、弱った植物を労り、体の基本的な働きや体質を整えながら、健康に導くという。

 

 

マリンインパクトに含まれる植物活性有機物のうち、特に注目すべきは、ストレスで発生する活性酸素種を除去するフコイダン、浸透圧を維持するベタイン、細胞壁を修復・強化するマンニトール。これら3つを含む有機成分が植物の遺伝子に働きかけて、細胞の機能を健康に維持することで、環境ストレス耐性が高まる。

無処理区では下位葉の萎れが酷いが、マリンインパクトの散布で萎れが改善している。(品種:直播ビート/北海道。5月20日凍障害目的、6月下旬樹勢維持目的で散布。施用量:100ml/10a)

マリンインパクトの重要な作用として、光合成機能の充実がある。光合成産物(糖、アミノ酸、有機酸、ビタミン、その他の化学活性物質など)は根から放出されて、マイクロバイオーム(作物が主体的に自分の根圏に形成する微生物の共同体のこと)の形成に寄与する。

例えば、フラボノイドは有益な細菌を根圏へと誘導することで根の表面に細菌叢の生体バリアーを形成する。こうして病原微生物の侵入を阻止する一方で、栄養成分を取り込む橋渡し役となる。Nod因子とよばれる化学物質が根に根粒細菌を誘導して取り込んだり、ストリゴラクトンは菌根菌の胞子の発芽を促し共生関係を構築。特に菌根から伸びた菌糸ネットワークは作物の根圏を大きく拡大して、リンを中心として水分、窒素、ミネラルの調達を助ける。同時に根から放出される有機酸は、土壌に固定化されたミネラルを溶かし、キレート作用によってミネラルが他の塩類と結合しにくくして植物への移動を容易にしている。

根圏に形成されたマイクロバイオームはふかふかで保水性のある土壌を作り、有機物を分解して植物に必要な栄養分を調達。向上した養水分の吸収により環境ストレスに強い頑強な植物体がつくられ、収量と品質が向上する。

植物が持つ本来の力を引き出しながら、予防的に準備したい人にまさにおすすめの資材だ。

check! マリンインパクトとは?

北大西洋の潮間帯に生息する海藻、アスコフィラム ノドサム(褐藻類)。そこから必要な活性成分を壊さない特殊な技術「アルカリ常温低圧抽出」で抽出される、100%のバイオスティミュラント製品。作物の光合成機能を改善し、環境ストレスを緩和することで作物の持つ生理作用を最適に調整する。土壌中の地力を最大限活用した栄養調達が可能となり、元肥や液肥などの資材コストの軽減にも期待が寄せられている。

●カナダ沖で育まれたストレス耐性DNA

原始的な植物は5億年前に海から陸へと進出した。それらは陸上の厳しい環境に対応し繁殖を広げた。アカディアン プラント ヘルス社は業界で初めて核磁気共鳴(NMR)技術を用いて海藻の成分分析に挑み、アスコフィラム ノドサムが当時の原始植物と同じようなストレス耐性成分を持っていることを明らかにした。高緯度の生育環境は、冬はマイナス30度以下まで冷え込み、夏の岩場は照りつける日差しで20度以上になる。このようなストレス環境に耐え抜き、5年以上かけてゆっくり肥沃に成長したものを原料として使用。

●世界をリードする高度なエンジニアリングで製造

世界を代表する海藻資材メーカー、カナダの「アカディアン プラント ヘルス」がアスコフィラムを採取。カナダ政府より環境保護を前提に許可を得て、すべて手作業で収穫を行っている。天然原料を使用しながらも常に均一かつ優れたパフォーマンスを提供できるように、製造ごとに科学的な分析を行い、一貫した品質維持を可能にした。現在、世界80か国へ出荷している。

 

マリンインパクトは
環境保全に貢献

海の資源を農業で再利用することが見直され、持続可能な農業のひとつとして、注目されている海藻。現在の農業で使われる肥料成分の多くは地下資源に依存しているが、海藻抽出物であるマリンインパクトは、畑から河川、そして海へと流亡する有用成分を再利用することに貢献できる。さらにマイクロバイオームの形成を通して土壌環境を改善し栄養分の吸収効率を向上するため、肥料の削減効果が期待できる。窒素分を30%減肥した圃場試験ではマリンインパクト施用により作物収量の低下を補う結果が得られている。

マイクロバイオームの形成は植物栄養成分の吸収を助け、この結果光合成機能を改善する。これにより豊富な同化産物が土壌に還元され、新たなマイクロバイオームの形成を誘導する。マリンインパクトは植物の生理にこのような好循環なサイクルを生み出す理想的な資材であることが現場の実証試験で明らかになってきた。海から得られ環境にやさしい資材が植物本来の能力を呼び覚ます「立役者」となっていることは、実に興味深い。

マリンインパクトにまつわるQ&A

Q1. 他の海藻資材と、マリンインパクトとの違いは?

A. すべて手作業で収穫された海藻アスコフィラムは近くの工場に運ばれて乾燥させることなく抽出処理が行われます。こうしてマリンインパクトにはフコイダン、ベタイン、マンニトールの他にもアルギン酸、有機酸、多糖類、脂肪酸などの豊富な有機物が壊れることなく含有されています。抽出液の色の濃さにご注目ください。
 


 

Q2. 暑さ以外のストレス対策にも使える?

A. 高温・乾燥ストレス以外の環境ストレスにもマリンインパクトはお使いいただけます。凍霜害・低温障害などの寒さ対策、豪雨による冠水対策、肥料の蓄積などによる塩害対策にも効果を発揮します。
 


 

Q3. 農薬と一緒に使用できる?

A. どんな農薬や肥料もマリンインパクトと混用散布が可能です。

問い合わせ

株式会社ファイトクローム

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