鈴木農相 5月29日記者会見「飼料用米の安定供給に向け、畜産農家との複数年契約を検討」
2026.05.29
鈴木農林水産大臣は5月29日の記者会見で、2026年産の国産飼料用米が不足する見通しであることを踏まえ、「来年度以降の新たな水田政策においては、畜産農家と耕種農家との複数年契約などを要件にすることにより、飼料用米が安定的に供給される仕組みを検討したい」と述べた。
メイン画像:記者会見する鈴木農相(出典 農林水産省)
鈴木農水大臣
記者会見概要
大臣 本日の閣議におきまして、「令和7年度食料・農業・農村白書」が閣議決定をされました。今回の白書では、特集といたしまして、令和6年8月から続く米の需給の状況を踏まえ、米の安定供給に向けた対応を取り上げております。
また、トピックスといたしましては、令和7年度の特徴的な動きとして、地域農業の将来を描く地域計画の取組状況を取り上げるとともに、特別企画として、昭和から100年を振り返った食料・農業・農村の変化を取り上げています。
この白書によりまして、多くの国民の皆様に、我が国の食料、農業、農村への関心を持っていただきまして、理解を深めていただけることを期待をしております。
―中東情勢について、今週水曜日に食品容器包装に関する意見交換会が行われました。出席した団体側からは、容器などの調達懸念の声も出たということですが、こちらの会の受け止めと、今後の対応について教えてください。
大臣 一昨日、開催をいたしました第1回目の食品容器包装等情報交換会には、私も冒頭出席をさせていただきまして、事業者の皆様の企業活動の継続や、国民の皆様への食料の安定供給のために、この情報交換会の場を、食品容器包装の需給状況や調達状況に関する情報収集・共有の場として御活用いただきたい旨、お伝えをさせていただきました。
ナフサ由来の化学製品の供給につきましては、中東以外からのナフサの輸入の増加などによって、国全体として、年を越えて供給の継続が可能な状況というふうに承知をしております。他方で、実際に会議の場においては、例えばですけれども、価格が高騰していること、そして、食品容器包装に必要な資材の調達に対する不安の声があったというふうに報告を受けております。
農林水産省としては、こうした不安を払拭できるように、詳細の状況について、個々にお伺いをした上で、実際に流通の目詰まりが生じている場合には、経済産業省と連携をして、一つ一つ問題の解決に取り組んでまいります。引き続き、食品事業者の皆様が、より安心して企業活動を継続できるように、情報交換会の場も活用しながら、取り組んでまいります。
―2点お伺いします。まずメルコスール(南米諸国の関税同盟)についてです。昨日の与党の会合では、政府から6月のG7の機会にも、EPAの交渉入りを発表する可能性があるといった説明がありました。ブラジルを始めとした加盟国は、牛肉や豚肉、鶏肉、砂糖といった農産物の輸出大国が多くあります。改めてになるのですけれども、交渉についての御認識と、あと、国内の農業への影響をどのように考えておられるか、お願いします。
大臣 メルコスールとの経済関係の強化の在り方につきましては、現在、幅広く検討している段階でありまして、農林水産省としても、外務省を始めとする関係省庁と連携をして、引き続き、対応させていただきます。
そして、国内農業への影響という観点で申し上げれば、先日も、ブラジルのヴィエイラ外務大臣との会談を行わせていただきましたが、その中でも、食料・農業分野における両国間の連携強化及び貿易強化に関する双方の関心事項について、意見交換をしました。
私の方からは、このEPAを始め、どんな貿易交渉であったとしても、日本としては農業、特に重要5品目と言われる品目については、極めてセンシティブであるという旨の話は伝達をさせていただいたところであります。
―2点目なんですけれども、水田政策の見直しについてです。昨日、日本飼料用米振興協会が出した提言では、農水省が示す国産飼料用米の需要の見込み量を30から40万トンと、従来より少ない量としていることで、交付金の要件が厳しくなるのではないかと、こういった懸念が示されました。このことへの受け止めと、支援の拡大を検討するお考えがあるか、お聞かせください。
大臣 飼料用米の需要見込みについては、基本的には国産米の利用にこだわっている畜産農家による米の必要量が、配合飼料メーカーへの聞き取りなどによって、過去の生産・利用の実績から、大体30から40万トン、面積換算でいうと5から7万haと推計されていることを踏まえ、設定をしているところであります。
他方で、飼料用米の作付面積ですけれども、面積換算で5から7万ha、これが潜在的な国産米、えさ米の需要ですが、令和7年産だと4.6万haでありましたし、5月20日に公表しました、4月末時点での令和8年産の作付意向では3.3万haとなっておりまして、依然、需要の方が、生産意向よりも上回るという状況だというふうに認識をしております。
えさ米を含む多様な米の生産につきましては、我が国の主食である米の生産基盤の維持に、当然、一定の役割を果たしてきたものと認識をしておりますが、他方で、飼料用米については、主食用米の需給の影響を受けて、実需者への供給量が安定しないといった課題もあったところであります。
このため、令和9年度以降の新たな水田政策においては、畜産農家と耕種農家との複数年契約などを要件にすることにより、飼料用米が安定的に供給される仕組みを検討しております。引き続き、現場の声もよく伺いながら、詳細について検討させていただきます。
DATA
取材・文:アグリジャーナル編集部
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