【GPECリポート③】大気中から二酸化炭素を集めて植物に施用する光合成促進装置
2026.07.28
2026年7月15日~17日、国内最大規模の施設園芸・植物工場展2026(GPEC)が、東京ビッグサイトで開かれた。出展したブースのなかから、大気中から二酸化炭素を集めて植物に施用する光合成促進装置を紹介する。
最新のスマート農業技術や
省エネ技術が注目を集める
東京ビッグサイトで開催された施設園芸・植物工場展2026(GPEC)
日本の施設園芸は、世界情勢の緊迫化に伴う原油高や原材料費の引き上げなど、外部環境の急激な変化に直面している。ハウスの新規建設費用や維持管理費は、かつての生産環境と比較して1.5倍から2倍近くにまで上昇しており、生産者の経営を大きく圧迫している。さらに、夏場の猛暑や地球規模の気候変動は作物の安定生産を脅かす深刻な要素となっており、迅速な対応が緊急の課題となっている。
こうしたコスト面や環境面での厳しさが増す一方、現場を支える労働力の不足もより深刻化している。加えて、国が進める「みどりの食料システム戦略」に見られるように、生産性の向上と環境負荷低減を両立させた持続可能な農業への転換という新たな指針への対応も求められている。
「施設園芸・植物工場展(GPEC)」は2年に一度開催される。今回は国内外から265のブースが出展し、最新のハウス資材や環境制御システム、自動化・省力化機器、植物工場向け栽培設備などが披露された。生産性向上や燃油・資材高騰への対策、異常気象対応といった現代の農業経営者が直面する課題を解決する、最先端のスマート農業技術や省エネ・エネルギー活用技術が注目を集めていた。
大気中から二酸化炭素を集めて
植物に施用する光合成促進装置
株式会社西部技研の展示ブース
株式会社西部技研は、独自のハニカムローター技術による空気処理装置の開発から環境保全に貢献する技術企業である。
同社が提供する大気中二酸化炭素(CO₂)濃縮・供給装置「C-SAVE Green」は、大気中から二酸化炭素を集めて植物に施用する新しい仕組みの光合成促進装置である。従来の装置のように灯油やLPガスなどの化石燃料を燃焼させず、ガスボンベの交換も必要としないため、安全かつクリーンに炭酸ガスをハウス内へ供給できる。
装置内には自社開発の特殊なCO₂吸着材を塗布したハニカムローターが組み込まれており、回転するローターに大気を通すことで二酸化炭素を効率的に濃縮する。集めた二酸化炭素を局所ダクト経由で作物の葉の周辺に的確に供給することで、無施用の環境と比較してイチゴなどの収量を大幅に高める効果が実証されている。
また、ハウス内の環境変化や植物の光合成量に合わせた自動制御での運転に対応しており、タイマー運転に比べて不要な動作を抑え、電気代を削減できる仕組みも備える。動力には電気のみを使用し、本体にはキャスターが付属しているため、フォークリフトなどを使わずに容易にハウス内へ搬入して設置することが可能である。化石燃料に依存しない脱炭素化を促進し、栽培の省力化と経営効率の改善を同時に実現するシステムとして、持続可能な農業経営を強力に後押しする。
DATA
取材・文/アグリジャーナル編集部
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